インド美術 (岩波世界の美術)

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  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000089319

感想・レビュー・書評

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  • インダス文明から現代まで、おおまかに歴史の流れを追いながら、テーマ別にインドの美術について解説されています。写真は美しく、解説も平易で読みやすいです。作品の背景になっている歴史や文化、思想についてかなり詳しく解説されているので、美術書というくくりには収まらない良書です。

    インドは多様性の国とは言いますが、本書を読めばそれも納得です。ヴェーダ時代、仏教が栄えた時代、ヒンドゥー教の成立と発展、イスラム勢力による支配、イギリス統治と、多様すぎる背景をもとに多様すぎる美術様式が溢れていて、とても魅力的です。それらひとつひとつのテーマをとってみても、広い国土の中で、一言にヒンドゥー美術とくくれないほどバリエーション豊かな様式を見ることができます。北インドの寺院のシカラと南インドのゴープラムの対比なんかが良い例です。

    歴史の流れで幾重にも重なった時間軸の層に、地域的な広がりが複雑に絡み合って、なんとも一言では表現できないインド美術の世界がそこには広がっています。本書で紹介されているスポットはインド各地に散らばっており、デリー周辺だけを観光してインドという国を見てきた気にはなれないよな、とつくづく思いました。

  • ボンベイでは壮大な建築が発展したのは遅かった。1661年、ボンベイは持参金としてポルトガルからイギリスに割譲された。イギリスのもっとも優れた「盛期ゴシック様式」はイギリスではなくボンベイの大学、図書館に見られる。ゴシック様式はイギリスでは聖堂と密接に結びついていたがボンベイではインドサラセン様式よりも愛好された。

    インドの古代から近代までの彫刻、美術、絵画が紹介されて読み応えがある。

  • さあ、これを読んでインドへ行こう。

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