「ゲド戦記」の世界 (岩波ブックレット)

著者 : 清水真砂子
  • 岩波書店 (2006年9月8日発売)
3.62
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  • 本棚登録 :33
  • レビュー :5
  • Amazon.co.jp ・本 (60ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000093835

「ゲド戦記」の世界 (岩波ブックレット)の感想・レビュー・書評

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  • 翻訳者・清水真砂子さんの2006年講演より、加筆・再構成。ハリーポッターについての感想は…と想像します。

  • 13.6~7 ☆面白かったところ☆/2 言葉探しの三十年…第4巻「帰還」でテナーが使う言葉は成熟している。男性社会で、主義主張、思想を語る言葉(話し方)が多い中、テナーは違和を感じ、生活に根ざした言葉の使い方をする。清水さんはそういう文体に触れていて、テナーは、男の人が家事を手伝うことに対し、して「くれる」のよとは言わないだろうとはっとする。/3 意味からこぼれ落ちるもの 「賢治の文学という『眼鏡』をかけて見ると、キノコの生え方にしろ、山の盛り上がり方にしろ、露の置き方にしろ、私たちを取り巻く自然界が本当に鮮やかに私たちの目に飛び込んでくる。(略)『ゲド戦記』もやっぱり、テーマだとか意味だとか、もちろんそれは捨てるわけにいかないし、たしかに大事なのですが、そこから外れるもの、こぼれるものをもっともっと、楽しんでもいいのではないかと思いますね。」←作者自身でさえも意味を語ってしまう。/4 ル・グウィンとともに…ル・グウィン『ファンタジーと言葉』より。小説が幸福を書くと、批評家はその小説を「卑俗で、感傷的で、(言い換えれば)女性向けの作品だと片付けてしまうのである。」しかし、幸福には色んな形、ひずみもあってこそ成り立っているとル・グィンは言っている。トルストイ「不幸には様々な形があるが幸福はみな似ている」への反論(私なりの要約)。清水さんはそれを受けて、子どもの文学も、幸福を書いている、幸せな結末というだけで下に見られるのは違うのではないかと。/研究書も色々発見があるんだけど…。読んでて純粋に楽しめるのは、翻訳なんかで、どっぷり世界に浸かっている人のだなぁと思った。

  • 「ゲド戦記」自体は4巻までしか読んでいない私ですが、清水さんの翻訳者、教育者としての言葉に触れていると何度もハッとさせられます。見えなかったものが、見えてくるという驚きです。

    まず、冒頭の「子どもに一番最初に覚えて欲しい言葉はママやパパでなく、『ノー』という言葉であって欲しいと願っている」というくだり。深い。

    人間が私有物を持つ意味を考えるくだりも深い。

    ル=グゥインですら、ゲド戦記を通して、「意味」を語ってしまった、つまり、意味からこぼれ落ちるものを感じ取る力を失ってしまっていた、落とし穴。

    名作「アンナ・カレーニナ」の冒頭文「幸福な家庭はみな似たり寄ったり」への違和感。

    「言葉」との30年にわたる格闘からは、清水さんの仕事に対する誠意を感じました。

  • 清水さんのゲド戦記への大切な気持ちが伝わってくる。作品に対し、すごく真摯。作品世界に生きて訳されたのだなあ。そして、それを読める私は幸せもの。

  • 翻訳者・清水真砂子氏が、「ゲド戦記」との出会い、翻訳の苦労と面白さ、各巻の魅力、作者ル=グウィンとの交流を語る。2006年6月に「紀伊国屋サザンセミナー」として行われた講演をもとに、一部加筆のうえ再構成。
    <br>
    【感想】
    http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50786431.html

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