いま、日本の米に何が起きているのか (岩波ブックレット 745)

  • 岩波書店 (2008年12月9日発売)
3.20
  • (0)
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 33
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (72ページ) / ISBN・EAN: 9784000094450

みんなの感想まとめ

食の安全や農業の現状について多角的に考察する本書は、特に日本の米に焦点を当てています。2007年の食品偽装や汚染米事件を背景に、制度や生産者の視点からの情報が豊富に提供されており、一般読者にも理解しや...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2008年出版のブックレット。
    食品偽装や汚染米事件が相次いだ2007年の記憶も新しい頃にでた本。
    データや制度、生産者の視点の話などがでてくる。
    これ一冊でわかるわけではないけれど知識のとっかかりにはなる。
    ニュースで言ってたのはこういう意味かとかこれが背景かというのがいくつか理解できた。

    1995年の新食糧法施行以前は農協を通さない米の売買は「ヤミ米」だった。
    →2025初頭に農水省が把握できてない米を「消えたコメ」とか言ってたのは今の食糧法になる前の食糧管理法感覚でヤミ米扱いしてたのか。とか。

    今の米不足のニュースを見て、農業や農政のことを何も知らないなと一般向けの本を探したけど数が少なくて驚いた。
    食料は大事なものなのにいかに興味をもたずにきたか。日本にいる全員が食べる側の当事者なのに、農業関係の人しか考えてこなかったから現状がこんななんだと思い知る。


    稲作では飯が食えないから果樹や野菜や会社勤めや年金で補填するという話や、食えないだけでなく米農家のモチベーションを下げる問題なんかは本屋と共通する。


    興味深かったのが酒造と和菓子メーカーの人の話。
    日本酒の原料である酒米の量や品種を選んで発注できないしくみだからメーカーは技術を向上させたからみんな同じ無個性のハイレベルになるとか。
    無添加の菓子が傷むのは当たり前だから、それでもやるなら時間も手間もお金もかかるしやる意志が必要とか。
    加工米の買いにくいシステムによって楽に買えるが来歴の定かでない輸入米に頼る業者が増えたのが汚染米事件の遠因だとか。
    世界的に穀物の需要が増えてるんだから不作じゃなくても構造的に生産が消費に追いつかなくなるとも言ってる。

    2025年現在の視点で読むとわかってたのに無関心によって放置されてきた問題が今出ている(数年ごとに出てるけどその度に忘れられていく)だけなんだなということに暗澹たる気持ちになる。
    変わったところも色々あるはずだから最新知識を改めて知りたい。

  • 食の問題を様々なテーマから指摘している本著。
    ・食の安全(中国の冷凍餃子、海外の遺伝子組み換え作物、牛の狂牛病ーBSEの問題など)
    ・農業の人材不足、耕作地の放置
    など

    「安全・安心」を求める消費者が多い中、商品の虚偽表示(有名企業・ホテルなど)が問題になりました。
    利益を追い求めれば求めるほど、安全や安心は手間なものとして蔑ろにされ、安い・早い・美味しいことを重視してきました。

    また、ブランド化(米であれば「コシヒカリ」など有名なものしか売れない、そういった商品しか扱わない問屋が大半)についても一つの問題点があると思います。


    消費税引き上げが影響し、軽減税率は経済界が渋る中で生活の根本といえる食について考えることは大切なことです。
    生産者との「顔の見える」関係を作り、地産池消を促していく。
    無農薬・有機農業を行っている製品を応援することも一手だと感じました。

  • [ 内容 ]
    「汚染米」が、日常の食のなかに入ってきていた―。
    なぜ日本は米を輸入しているのか。
    国内の稲作はどうなっているのか。
    世界と日本の米の現状、米をめぐる政策や制度、流通、稲作農家や日本酒、和菓子生産者の挑戦など、米最新事情をデータとともにわかりやすく解説。

    [ 目次 ]
    データから見る日本の米、世界の米
    米の複雑な旅路―区分、流通、表示から考える
    有機稲作という新たな可能性
    酒蔵が米を作る理由
    和菓子と米消費拡大の夢

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全3件中 1 - 3件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1937年愛媛県に生まれる。1965年東京教育大学大学院文学研究科(社会学)修士課程修了。全国農業協同組合中央会勤務を経て、(財)協同組合経営研究所、94年同常務理事、99年博士(学術)取得。現在は、東洋大学国際地域学部および全国漁協学校講師。

主要著書
『現代たべもの事情』(岩波書店、1995年)、『協同組合運動の転換』(共著、青木書店、1995年)、『アグリビジネス論』(共著、有斐閣ブックス、1998年)、『アジアの工業化と農業・食糧・環境の変化』(筑波書房、1999年)、『アジアの食料・農産物市場と日本 − 市場の国際化と食料・環境問題』(共著、筑波書房、2001年)、『21世紀食料・農産物市場の展望』(共著、筑波書房、2004年)、『FTAとタイ農業・農村』(筑波書房ブックレット、2004年)、『現代日本の農協問題』(筑波書房ブックレット、2006年)



『現代資本主義と食糧・農業』(共著、大月書店、1995年)、『協同組合運動の転換』(共著、青木書店、1995年
アジアの工業化と農業・食糧・環境の変化』(筑波書房、1999年

「2007年 『現代の食糧問題と協同組合運動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本博史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×