脱「貧困」への政治 (岩波ブックレット)

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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (61ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000094542

作品紹介・あらすじ

底が抜けてしまったかのような不安定さが続く日本社会。生きる基盤すら奪われてしまう状況がある一方で、現実を変革しようという新たな運動が胎動しつつある。ポスト新自由主義の時代に向けて、格差と貧困の現場で格闘する2人と、第一線の研究者3人による骨太の議論が、社会保障、運動、そして政治の本質を伝える。

感想・レビュー・書評

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  • 内容が濃い。
    こんなに薄くて軽いのに!

  • 貧困とか自殺とか犯罪、問題は心の闇とかじゃなくて、構造的につくられてる格差にある。
    それがどうにもならないもんだと思われてるのが一番の問題。
    それを変えようとすることが政治のお仕事だし、人として生きてる価値じゃないの?
    歳をとっても、変えようとすることを恐れずにいたい。

    貧困問題の本質は、生きる居場所となる関係性が失われることにある。
    「無条件の生存の肯定」がスローガンだという運動、その通りだと思う。

  • 「保守主義というものは、人間の不完全性や限界を謙虚に見つめることからスタートし、極端な設計主義を批判すること」
    設計主義とは、共産主義のような未来社会を設計し、それに向けて社会革命を行うことでしょうか。
    「人間社会は永遠に不完全なまま推移する。・・思い出やノスタルジーにすがることが保守ではなく、常に状況の中で伝統を再定義し意思を持って引き受ける再帰性」
    三丁目の夕日的保守派がはびこっております。
    また、一足飛びに理想社会を求める実験=共産主義による大虐殺、ナチズムによる民族虐殺を引き起こしたのを忘れてはならないのではないかと。

  • 「これは人災である」という感覚を忘れないこと。
    現在、非正規雇用が増加の一途を辿り、生活が不安定化していることは、小泉改革で、人材派遣の規制緩和を推し進めた結果だ。制度を設計した者がいる。現状は、その者が意欲した結果だということ。
    裏返すと、政治によって、好転させることも可能性があるということだ。
    メッセージが力強く伝わってくる本。

  • 中畝さんの「二人展」を見にいったときに、うちにあるのに間違って買ってしまったからと中畝さんにもらった本。もらって帰った日に読んでしまった。北大でおこなわれた連続シンポ「どうする? 21世紀の日本の貧困と格差」の記録。

    コンパクトだが、密度が濃い。「連帯の基盤となるものは何か」の話が、これから、なお大切な視点になるやろうなと思った。

    「つきあってみたら、いい奴だった」という関係が個人的に結ばれていくのも大事なことだろうが、それだけでは連帯は広がらないと宮本太郎が話している。
    ▼…複雑な関係にある人たちが、どういう枠組みのなかで、みんなちゃんと自分の取り分を正当に得ることができるのかという、そういうフレームが出てこないと、連帯というのは定着しないのですよね。(p.58)

    続けて山口二郎がこう提案している。
    ▼…労働組合も働く人間のために一緒に闘うんだという原点に戻っていくことが重要です。そうすると、正規労働者の既得権集団だなんていう批判を自分でハネ返すことになるわけですよ。あと、部落解放同盟だって、人権擁護のスペシャリスト集団として、いままで培ったいろいろなノウハウを活かして、権利保護の闘いを指南してくれればいいのです。(p.59)

    私は保守主義者と名乗る中島岳志という人にもちょっと興味をもった。

  • 平和そうな日本で、個人の努力では、どうにもできない貧困もあるのだなあと。
    安売り合戦と低賃金。良くない組み合わせ。

  • ディスカッションのブックレット化。
    内容的にはあっさりしています、セーフティネットとか、プレカリアートとか。
    雨宮さんや山口さん、湯浅さんなんかは、最近積極的に発言しているので、
    そういう人たちの考えを大まかに知りたい人は読んでみていいかも。

  • 日本の貧困の現状とその背景を知るのに使えた。

  • 市立図書館

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