ガザの悲劇は終わっていない―パレスチナ・イスラエル社会に残した傷痕 (岩波ブックレット)

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  • Amazon.co.jp ・本 (63ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000094627

作品紹介・あらすじ

多くの民間人を含む1400人以上の犠牲者を出したイスラエル軍のガザ攻撃。イスラエル軍によって社会的インフラを徹底的に破壊されたガザ地区では、イスラエル軍が撤退した今も、経済的困窮が続いている。人間の尊厳を奪う"占領"の本質を、ガザやイスラエルの人々へのインタビューを通して浮かび上がらせる。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年末から今年の一月半ばまで続いたイスラエルのガザ攻撃の報道で、悶々とした気持ちで報告会などに何度か参加していたが、いつのまにかネットでも情報を得ることもあまり出来なくなっていた。しかし、最近、イスラエルが再び入植地を拡大すると発表したり、国連の「双方に戦争犯罪」という報告書が出たり、イランの大統領が「国際社会がイスラエルに罰を科すべきだ」と主張したりと、パレスチナ関連のニュースを目にすることが増えてきた。

    で、土井敏邦さんの「ガザの悲劇は終っていない」を読んだ。2009年1月8日から2月19日までの、ガザ地区とイスラエルでの取材報告だ。イスラエル兵の非戦闘員に対しての残虐な殺戮の場面が数多く報告されている。

    120人ほどの一族がひとつの建物に押し込められミサイル攻撃を受けたり、家の中に侵入してきた兵に夫と子どもたちを目の前で銃殺されたうえ金品を盗まれ家具に火を付けられたり、白旗を持って家から出た2歳半と7歳の子どもとその祖母が、銃弾を浴びせられ、その後、救急車を要請したもなかなか出動してくれなく、やっと来たと思ったら、戦車で踏み潰され、あげくの果て、親は子どもを抱いたまま逃げ出すが、体から内臓がこぼれだし・・・

    イスラエルの一部の人たちは、自分たちが行っていることの不道徳さに気付き始めてはいるが、大半のイスラエル人は、ガザ攻撃は当然の報いだと信じてやまない。国連も、「双方に戦争犯罪」ということで決着を付けようとしている。

    土井さんはあとがきで、『世界のメディアがガザの状況をほとんど伝えなくなった今、国際社会は「もう"ガザ攻撃"の問題は終わり、平和が戻った」と胸を撫で下ろしているかもしれない。しかしすべてを失い、将来、生活が改善される見通しも、問題解決の展望もまったく見えないガザ住民の失望や怒りは、その心の奥底に確実に鬱積しつつある。そしてそれが臨界点に達して爆発したとき、それは中東という一地域に限らず、全世界を震撼させる事態に発展するかもしれない。」と書いている。

    西谷文和さんも「戦場からの告発」で、アメリカとイランの対立によって、イランはハマスやヒズボラを通じてイスラエルを攻撃させる可能性もあり、そうすると第三次世界大戦に発展していくだろうと書いている。

    そして今、次のような記事が発表されている。
    「イランの核問題で、アメリカ・オバマ大統領は9月25日、軍事行動の可能性を示唆し、強い姿勢でイランに警告している。」と。

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著者プロフィール

1953年佐賀県生まれ。ジャーナリスト。
1985年以来、パレスチナをはじめ各地を取材。1993年よりビデオ・ジャーナリストとしての活動も開始し、パレスチナやアジアに関するドキュメンタリーを制作、テレビ各局で放映される。2005年に『ファルージャ 2004年4月』、2009年には『届かぬ声―パレスチナ・占領と生きる人びと』全4部作を完成、その第4部『沈黙を破る』は劇場公開され、2009年度キネマ旬報ベスト・テンの文化映画部門で第1位、石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。次作となった『“私”を生きる』(2010年)は、2012年度キネマ旬報ベスト・テン文化映画部門で第2位。

東日本大震災後に制作された中編『飯舘村 第一章・故郷を追われる村人たち』(2012年)では「ゆふいん文化・記録映画祭・第5回松川賞」を受賞。また、2012年には、ビルマ(ミャンマー)から政治難民として日本に渡った青年を14年にわたって見つめた『異国に生きる 日本の中のビルマ人』で2013年度キネマ旬報文化映画第3位、文化庁映画賞文化記録映画優秀賞受賞。その他に『飯舘村 放射能帰村』(2013)、『ガザに生きる』全5部作(2014)など。著書は『アメリカのユダヤ人』、『沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る“占領”─』(いずれも岩波書店)など多数。

「2020年 『ヨルダン川西岸(3部作)[DVD]ライブラリー版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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