『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 365
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000094733

作品紹介・あらすじ

誰からも愛されることなく、「ひねくれて」育ったメアリは、荒涼としたムアに建つ屋敷で、うち捨てられた「庭」に出会った。彼女は、従兄弟のコリン、友人ディコンとともにその「庭」を美しい「花園」へと甦らせていく…。作家梨木香歩が「庭」とともにたくましく甦る生命のプロセスに寄り添い、名作の世界を案内する。

感想・レビュー・書評

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  • 恥ずかしながら、小さな頃にあらすじを知って、読んだつもりになっている児童文学作品が多々あります。
    『オズの魔法使い』や『青い鳥』なども、大人になってから読みました。
    今更のようですが、今からでもちゃんと読んでみたいと思う作品がまだまだたくさんあるのです。
    私にとってはバーネットの『秘密の花園』もそのうちの1つ。

    本書では、梨木さんが『秘密の花園』の世界を案内してくれます。
    少女・メアリの凍りついた種のような心が、だんだんと膨らみ、芽吹き、花を咲かせていく様子。
    そして、それを支える命の力と太陽のような愛。
    細部にまで目を向け、登場する人々や動植物が物語の中でどんな役割を果たしているのかを、紐解いてくださいました。
    たった71ページのブックレットながら、梨木さんがこの名作をどんなに大切にしているのかが伝わってきます。

    これから『秘密の花園』を読むときに、梨木さんの視点を思い出して読んでみたいと思います。
    きっとたくさんの気付きが生まれる読書になるはず。

  • 小学生の頃、偕成社の「少女名作シリーズ」が大好きで、25冊ほど集めていた。『秘密の花園』もそのうちの一冊だった。なので、ダイジェスト版で読んでいた。

    大人になってから、「少女名作シリーズ」を懐かしく思い出し、何冊か中古で手に入れて再読してみた。そのうちの一冊が、やはり『秘密の花園』。当時は、シリーズの中では大好き上位ではなかったけれど、再読してみると何だかとても気に入ってしまった。なので、今回、梨木さんのこのノートを見つけて読んでみた。

    こんなに素敵で深い読み方ができることに感動した。ダイジェスト版でない『秘密の花園』を、じっくり読みたい気持ちになった。

    梨木さんの著書はこれまで4冊ほど読んだことがあるが、他の著書も手にとって、梨木さんの素敵な感性にももっと触れてみたいと思った。

  • 大人になって、初めて読んだ、『秘密の花園』。
    なぜかは分からないが、とても心動かされる作品だった。声を出して笑って、喜びに泣いてしまう。
    梨木香歩さんの案内によって、「魔法」の秘密が少しずつ開かれていく。『西の魔女が死んだ』の「魔女」とも共通する、人の内側に潜む不思議な力。良質な児童文学には、カタチを変えて何度も登場している気がする。

    梨木さんの『裏庭』『からくりからくさ』なども、再読したくなった。

  • 物事を二度味わい尽くす。それはなんと贅沢なことだろう。秘密の花園の秘密がさらに明かされる。深い読み方に、自分の浅はかさに、胸が躍った。教わるという経験は代え難い経験だ。

  • 作家としての視点が十全に生かされた「読み」と「解釈」だと思う。インドの家の中でヘビを見るシーンなどは、なるほどと眼を開かれる思いだ。また、物語全体の構造を、「秘密の花園」を外なるものとしてではなく、メリーの内なる「喩」(それは、メリーだけではなく同時にコリンや、この邸そのものでもあるのだが)として捉える見方にも説得力がある。そして、なによりも梨木香歩さんのこの作品への強い共感と愛情とが伝わってくる。

  • 知っていると思っていた物語を、他の人の視点で、それも、こんなに素晴らしい読み手の視点で、とらえ直すことができて、本当に面白かった。他の物語も、梨木さんに読み解いてみせて欲しい。

  • 10.2.18 読みたい /比較資料用に…(13.6.24)

  • 「あれ、梨木さんの本だ」と思って脊椎反射で買ったはいいのだけれど、開いてみたらバーネット著の名作児童文学「秘密の花園」に関する書評で、そしてわたしは「秘密の花園」は未読なのだった。未読の本の書評だけを先に読んでしまうということに葛藤を感じつつも、買ってしまったからにはやはり読みたくなって、読了。
     誰からも愛されず関心をむけられず、孤独を孤独と自覚することさえできないままに育った偏屈な少女・メアリが、両親の死後に引き取られた先のお屋敷で温かい人々に出会い、少しずつ変わってゆく。その「秘密の花園」の世界を丹念に読みとく書評で、梨木さんのこの名作に対する愛や思い入れがひしひしと伝わってくる、ように思った。とりあえず少し時間を置いて記憶が遠ざかったころに、肝心の「秘密の花園」を読んでみたいと思う。

  • 作家さんによる考察、というかんじ。
    今一度しっかりと本編を読み直そう。

  • 秘密の花園についての考察。再生がテーマ。

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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