岩波講座 宗教と科学 (別巻1)

  • 岩波書店 (1993年6月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784000104715

作品紹介・あらすじ

自ら問題を考えようとする読者へ、本講座のテーマを論じるうえで、これだけは押えて欲しい優れた論文を収録する。

感想・レビュー・書評

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  • 河合隼雄さんの文章だけ読みました。
    この本のタイトルの「基礎文献」という意味は、1巻から10巻までに出演した論稿者が、これまでに公表している既出文献ということだとわかった。
    各論の前振りとして、各著作者が、この既出論文がいかに今回の「宗教と科学」シリーズにふさわしいかを語る「解題」という章を設けている。

    この本の「意識について」という河合隼雄さんの論稿は、河合さんの「生と死の接点」の本の中の「意識について」という文章。
    前振りの「解題」のなかで、「無意識は意識の中でしか語れない」という逆説的なことを述べている、つまり、無意識は意識の架空の産物ということである、しかし、「自分の夢などの意識を考えるとき、無意識の素材として定義する方が説得力をもつ」ので方法としてすぐれていると言っている。「一応「意識」ということに焦点を当てて、宗教と科学の問題を論じたのが、この評論であると言えるだろう」とも。

    本文の内容は「生と死の接点」と同じなので感想は省略。(河合さんの文章の最後のところだけ以下に抜粋しておきます)

    スポーツと関連して、現代では体力づくりや健康の問題が非常に強い一般の関心をひきつつある。これは、近代の心と体の二分法によって、心の側から見失われた「たましい」が体の方に無意識的に結びつき、「体」を大切にすることが、たましいを大切にすることにまで無意識的につながっているためと思われる。従って、「体」を大切にすることに人々は途方もない情熱を傾けたり、金を使ったりするのではなかろうか。健康食品や、健康維持のための多くの薬などの取り扱いや、ジョギングをすることなどに、強迫的な傾向が強く見られる人は、それが無意識のうちに宗教的儀式となっているためと思われる。近代人が存在を否定したたましいは、いろいろなところに、そのはたらきを示しているのである。現代人としては、もう少しそのあたりのことを自覚して、もっと適切に自分の意識を磨くことを考えたいものである。(私:これは1986年ごろ書かれた文章ですが、2024年でも大丈夫な内容ですね)

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著者プロフィール

1925年、東京都出身。哲学者。明治大学名誉教授。東京大学文学部卒業後、文化放送に入社。その後、明治大学法学部教授を長く務めた。西洋哲学をはじめ日本文化・言語・科学・芸術などに目を向けた現代思想に関する著書が多数あり、主要著作は『中村雄二郎著作集』(岩波書店、第1期全10巻・第2期全10巻)に収められている。山口昌男と共に1970年代初めから雑誌『現代思想』などで活躍、1984年から1994年まで「へるめす」で磯崎新、大江健三郎、大岡信、武満徹、山口昌男とともに編集同人として活躍した。

「2017年 『新 新装版 トポスの知 箱庭療法の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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