遭遇と発見 異文化への視野 異文化への視野 (岩波講座 世界歴史)

  • 岩波書店 (1999年2月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784000108324

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  • (1)染田秀藤「二つのインカ帝国像」...曲げて理想的なキリスト教国家に近い「インカ帝国像」を書いたラスカサス、スペインの非道な征服への批判のため。それに対抗するように出てきたインカ暴君説。その後、さらにラス・カサスを上回るインカ理想説を書いたガルシラソ。インカ帝国が福音伝道に備えて築かれた国家で、スペイン人の征服を神がキリスト教伝道のために起こした歴史的出来事とえがいた、と。(2)大黒俊二「「東方見聞録」とその読者たち」…a.「今日、ルスティケッロが単なる筆記者にとどまったと考える研究者は少ない」…「東方見聞録」にも随所にルスティケッロの他の作品と似た構成、描写が随所に。また、「東方見聞録」は物語作家ルスティケッロによって、物語すなわち「聞いたこと」の方へ大きく傾斜させられている、と。b.定説。1.中国滞在を含めてマルコの東方行そのものは事実とみなす立場が学界の大勢 2.彼の東方旅行が現実のものであると否をとわず「東方見聞録」の東方記述が、同時代の他の記録と突き合わせてみても正確な事実を多く含み、当時の西欧文献からの安易な引き写しではない c.「東方見聞録」のもととなったメモは商人マニュアルだった、という説には、いくつかの部分でしか説得力を持てない d.14c後半〜15c前半の「東方見聞録」の読者は事実をそれとして探求姿勢がみられない e.コロンブスは「東方見聞録」を東方の事物の百科全書とみなしていた。商品関係の書き込みが多い。 …といったあたりが興味を惹かれたところ。出版から20年以上たったが、マルコ・ポーロ学、「東方見聞録」学はその後進展をみせたのだろうか。

  • 卒論本。「遭遇と発見」というサブタイトルはいささか西洋主義的ではあるが、学ぶべきものは多い。資料としては優秀。

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著者プロフィール

 印刷博物館館長。東京大学名誉教授。専門は、西洋中世史(フランス中世史)、西洋文化史。
 1941年東京都生まれ。1965年東京大学文学部卒業、1968年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1969年京都大学人文科学研究所助手。1976年東京大学助教授、1990年東京大学教授、2001年退官。この間、文学部長(1997年4月〜1999年3月)、史学会理事長(1999年6月〜2001年5月)を歴任。2001年国立西洋美術館館長を経て、2005年10月より現職。2005年紫綬褒章受章。
 東京大学在学中は、日本における西洋史学研究について、その文明史的な存在意義を主張して西洋中世史研究の「中興の祖」とされる堀米庸三の下でフランス中世史を学ぶ。12世紀中葉からの北フランスに勃興した大聖堂などの宗教建築様式で知られる「ゴシック」を生み出した中世思想をテーマとして研究者歴を刻む。次第にその後、研究領域を西洋文化史全般へと移行させていったことから、おのずと対象とする時代も拡張されて近世・近代にもおよぶ。風土や町、身体や美術、とりわけ絵画などを題材とすることにより、斬新な視点から西洋史の読み取りに挑戦していく。こうした新しい歴史記述の試みは、その平明な記述とあいまって、研究者だけでなく多くの一般読者にも支持されている。

「2015年 『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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