reinouさんの感想
2017年1月20日
1998年刊行。本書のジェンダー・ソーシャライゼーションの論考(木村涼子大阪女子大学助教授)は、インタビュー等の解析といった社会学的手法を用い、証拠収集を重視している点でなまじのフェミニストの論よりは遥かに説得力がある。離婚・自立・児童虐待の論は有益だろうが、新奇性に乏しい。他方、保育所が単に就労女性のための施設でなく、その現代的意味を探ろうとする汐見稔幸東京大学助教授の論考は、子育て支援の今後の方向性を示唆し実に興味深い。
佐伯 胖(さえき ゆたか) 1939年生まれ。専門は認知心理学。ワシントン大学大学院心理学専攻博士課程修了。東京大学・青山学院大学名誉教授。日本認知科学会フェロー、日本教育工学会名誉会員。おもな著書に、『「学び」の構造』、『「きめ方」の論理』、『「わかる」ということの意味』など。訳書にレイヴ+ウェンガー『状況に埋め込まれた学習』などがある。 「2022年 『人を賢くする道具』 で使われていた紹介文から引用しています。」