岩波講座 哲学 (11)

  • 岩波書店 (2009年1月15日発売)
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本 ・本 (270ページ) / ISBN・EAN: 9784000112710

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  • 「物語り論」を読んでいると、「実証的な歴史学」(だと思っているもの)をやることにどれほどの意味があるのだろう?と思えてしまう。そして、怖くなる。

    歴史学は、「いかにしてこの不可知論を(理論的に批判することは困難であるがゆえに、むしろ)回避するべきかという問題」(小田中直樹)から逃げてはいけないのだろうと思う。とすると、そこで大切なのは「歴史学における実践」(小田中)ということになるのだけど、僕は「実践」という点ではほんと弱い。むしろ「実践」をこそ避けてきたところがある。史料をテキストとして読むとい「実践」もそうだし、学会活動にせよ科学運動にせよ市民運動みたいな「実践」でもそうだ。

    ということで、「実践」「理論」のどちらともつかない中途半端な立場に僕はいるわけである。自分の立ち位置の不安定が、恐ろしい。そしてこんなどっちつかずの中途半端な人間が、学問的に評価されるはずがない、という気がしてならない。

    とこの本を読んで思いました。

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著者プロフィール

飯田 隆(いいだ・たかし)
1948年北海道生まれ。主に言語と論理にかかわる問題を扱ってきた哲学者。東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。熊本大学、千葉大学、慶應義塾大学、日本大学文理学部で教え、現在は慶應義塾大学名誉教授。科学基礎論学会理事長と日本哲学会会長を務めた。著書に『言語哲学大全』(全4巻、勁草書房)、『ウィトゲンシュタイン――言語の限界』(講談社)、『新哲学対話』(筑摩書房)、『規則と意味のパラドックス』(ちくま学芸文庫)、『日本語と論理』(NHK出版新書)、『分析哲学 これからとこれまで』(勁草書房)、『虹と空の存在論』(ぷねうま舎)など、編著に『ウィトゲンシュタイン以後』(東京大学出版会)、『ウィトゲンシュタイン読本』(法政大学出版局)、『哲学の歴史11――論理・数学・言語』(中央公論新社)など多数。

「2022年 『不思議なテレポート・マシーンの話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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