近代法の形成 (岩波全書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000201285

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  • 近代法の形成について、前近代法との差異を対立化してとらえる図式的把握でなく、歴史的過程を重層的構造においてとらえようとする一書。

    僕にとって最も得るところが大きかったのは、第1章で描かれた「政治社会」についての説明。

    アリストテレスは、政治社会を「家を単位とする労働と生産を統率した、自由人としての家長たち」の共同体としてとらえていたという(2-3頁)。そこで支配は法によってなされるという(法共同体としてのラント)。

    カントによる政治社会も同様で、「公民」からなる政治社会である(6頁)。このような古典的な「政治社会」=国家=ラントは18世紀末まで影響を残していたという(9頁)。

    この国家=政治社会=ラントは、17世紀中葉から常備軍の創設と維持の必要にせまられて、主権国家化していく(35頁)。そこでの国家は、「国家以前の人間の諸権利」(42頁)を基盤とする。最終的には、ドイツの場合神聖ローマ帝国の崩壊によって、「政治から解放された経済社会としての市民社会、「欲望の体系」(ヘーゲル)としての市民社会が、政治的なるものを一手に掌握した一個の機構ないし法人格としての国家に対置されるという、二元的図式が見られるようになる」のだという(46頁)。

    ということで、「政治社会」って何なんだろう・・・とずっとひっかかっていた僕の疑問に答えてくれた。ただ、ドイツ史にうとい僕にはよくわからないところがたくさんあって、苦しんだ。知識の無さが情けない。

  • ドイツ・オーストリアにおける近代法の形成を、概念史Begriffsgeschichte的に明らかにした著作。近代法の制定をめぐる歴史のなかで、自然法理論や等族国家的国家論が複雑に絡み合いながら今日なお機能する法制度の原型が創り上げられていったことが理解できた。

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