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- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000203517
感想・レビュー・書評
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7月に上海、8月に北京、9月に瀋陽に行き、
あらためて中国の持つ熱気と混沌のダイナミズムに興味を持った。
自分が日常で体験する断片だけでは中国はとても理解しきれない。
宮崎市定『中国史(上)』を読む。
この小著もそうであるが、私が近頃発表するものは、
世のいみじき学匠達に捧げるものではない。
私の性分はそういう既知数にはあまり魅力を感じない。
私は将来ある若い世代を相手に学問を語りたく思う。
これから学問を始めようという人は、
計り知るべからざる未知数である点において
私の関心を惹く。
(同著「はしがき」ivより引用)
中国史は国の名前、個人の名前が煩雑であるが、
宮崎の著書は5,000年の中国史のコンテキストを
読み解くのに役立つ。
学会の大勢に呑まれぬ碩学の入門書ほど
読み応えのある書物はない。
中国史を時系列で読んでいると、
いま現在日本、東アジアで起きている出来事も
過去からつながっていることがよく分かる。
上巻は総論から古代史、中世史まで302頁。
総論の「歴史とは何か」から「最近世とは何か」まで6節に
宮崎の骨太な歴史観が披露されていて興味深い。
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