中国史 上 (岩波全書 295)

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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000203517

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  • 7月に上海、8月に北京、9月に瀋陽に行き、
    あらためて中国の持つ熱気と混沌のダイナミズムに興味を持った。
    自分が日常で体験する断片だけでは中国はとても理解しきれない。
    宮崎市定『中国史(上)』を読む。

       この小著もそうであるが、私が近頃発表するものは、
       世のいみじき学匠達に捧げるものではない。
       私の性分はそういう既知数にはあまり魅力を感じない。
       私は将来ある若い世代を相手に学問を語りたく思う。
       これから学問を始めようという人は、
       計り知るべからざる未知数である点において
       私の関心を惹く。

                  (同著「はしがき」ivより引用)

    中国史は国の名前、個人の名前が煩雑であるが、
    宮崎の著書は5,000年の中国史のコンテキストを
    読み解くのに役立つ。
    学会の大勢に呑まれぬ碩学の入門書ほど
    読み応えのある書物はない。

    中国史を時系列で読んでいると、
    いま現在日本、東アジアで起きている出来事も
    過去からつながっていることがよく分かる。

    上巻は総論から古代史、中世史まで302頁。
    総論の「歴史とは何か」から「最近世とは何か」まで6節に
    宮崎の骨太な歴史観が披露されていて興味深い。

    (文中敬称略)

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著者プロフィール

1901-95年。長野県生まれ。京都帝国大学文学部史学科卒業。京都大学名誉教授。文学博士(京都大学)。文化功労者。専門は,東洋史学。主な著書に『東洋に於ける素朴主義の民族と文明主義の社会』(1940年)、『アジア史概説』全2巻(1947-48年)、『雍正帝』(1950年)、『九品官人法の研究』(1956年、日本学士院賞)、『科挙』(1963年)、『水滸伝』(1972年)、『論語の新研究』(1974年)、『中国史』全2巻(1983年)ほか多数。『宮崎市定全集』全24巻+別巻1(1991-94年)がある。

「2021年 『素朴と文明の歴史学 精選・東洋史論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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