アウト・オブ・コントロール―ネットにおける情報共有・セキュリティ・匿名性

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 25
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000220392

作品紹介・あらすじ

ウィニーは何を問いかけていたのか?個人情報の漏えい、著作権侵害、跋扈する"匿名"の存在。制御不能システムとしてのインターネットの未来を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 2014年10月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(3階)
    請求記号: 007.3//O84

  • P2P、著作権、匿名性等考えさせられることが多い。
    Winnyに関しては、事件性をセンセーショナルに取り上げられたが、時間が経過して忘れ去られた感もある。
    コモンズの問題はどこかでしっかりと議論しなければならないのだろうと思うが。
    性善説に立つのか、性悪説に立つのか。

    2回目

  • ウィニーの開発当時の状況、技術的な視点、社会的な影響、法的な課題などを論じる。具体的に示されているので、臨場感がある。

  • winnyや匿名性に関する議論がまとまっている

  • 人助けインターネットのネットがいつのまにかマイナスな方向に使われている。この世界にもコントロールは必要なのだろう。

  • 「はじめに」の冒頭、こう書き出している。「21世紀に入って、ちあきなおみがちょっとしたブームを迎えている」。1992年に夫が亡くなってからはプッツリと、舞台からは消えてしまっている彼女だから、その現役での姿、歌声を知らない若者の方が多いのだろうが、そんな状況の中で、このようなブームが生まれてくる背景への導入部だ。CDボックスだとか、BSの特集などというものも勿論あるのだが、動画投稿サイト、YouTubeにアップロードされた彼女に接することで、彼女を初めて体験する人たちも増えているという。ちあきなおみに限らないのだろう。いま、そういう多メディアの時代にいる、その万華鏡の1片のようなものだ。

    主題は、ファイル共有ソフトである「ウイニー」を巡って、そのソフト開発者が逮捕される、ということについての疑問、広がる「統制不可能なネット」というものについて、である。

    そもそも、「ウイニー」の開発は、02年4月1日、「2ちゃんねる」の掲示板に現れた匿名の書き込みから始まる。スレッドの名は「MXの次はなんなのだ?」。そこに匿名氏は「暇なんで freenet みたいだけど2chネラー向きのファイル共有ソフトつーのを作ってみるわ。もちろんWindows ネイティブな、少しまちなー。」 これが後に、世間を騒がせることになるウイニーの開発宣言。因みに、スレッドの47番目の書き込みだったことから、「47氏」と呼ばれることになる。

    「著作権」という権利が持つ意味、さらに情報流通さえをも妨げることになりかねぬ「著作権」という制度。技術と情報量の増大、コントロールがきかぬことへの不安……。多くの論点の中で、筆者が言いたいのは、以下のようなことであろう――。
    ユーチューブやウイニーのもつ重要な特質は、中央集権的なやり方では制御不可能だということだ。度重なる情報流出や著作権侵害の取締りが現状ではきわめて不十分に見える現実が、この制御不可能性を示している。その半面で、誰かがコントロールしなくても、ユーチューブやウイニーには違法・合法を問わず様々なコンテンツが提供されており、ユーザー間の情報共有自体はそこそこうまくいっている。制御が不可能であると共に、誰かのコントロールがいらないという意味で、ユーチューブやウイニーは「アウト・オブ・コントロール」な存在だといえるだろう。



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著者プロフィール

1967年生まれ。吉備国際大学アニメーション文化学部准教授。専門は情報倫理学、科学技術史。編集者、サイエンスライター、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て現職。著書:『アウト・オブ・コントロール――ネットにおける情報共有・セキュリティ・匿名性』(岩波書店2008)『情報倫理』――技術・プライバシー・著作権』(みすず書房2017)、編著書:『改訂新版 情報倫理入門』土屋俊監修(アイ・ケイコーポレーション2014)、共著書:『メディアとICTの知的財産権』(共立出版2012)、訳書:ダニエル・J・ソローヴ『プライバシーの新理論』(みすず書房2013)、共訳書:ヴィクター・J・カッツ『カッツ 数学の歴史』上野健爾・三浦伸夫監訳(共立出版2005)ほか。

「2017年 『情報倫理 技術・プライバシー・著作権』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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