新しい広場をつくる――市民芸術概論綱要

著者 : 平田オリザ
  • 岩波書店 (2013年10月18日発売)
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  • レビュー :11
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000220798

作品紹介・あらすじ

すべての地域に文化の自己決定能力を。社会に重層性と活力を生み出すための拠点を構想する実践的文化論。

新しい広場をつくる――市民芸術概論綱要の感想・レビュー・書評

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  • 平田オリザ流市民芸術概論であるが、コミュニティ形成の観点から参考になることがたくさん。「地縁・血縁だけでは排他的になりすぎる。利益共同体だけでは冷たすぎる。文化共同体が必要である」「居場所と出番」「映画ローマの休日から、ローマが一大観光地化したのは、単に遺跡を見るだけでなく、アイスを食べる、コインを投げる、スクーターに乗る、真実の口に手を突っ込むといった、直接的で複合的な体験があったから」

  • 劇作家平田オリザさんの文化論。

    ももクロ映画「幕が上がる」が、最近では有名かな。見てないけども!

    日本の成長は止まった。
    地縁も血縁も弱くなっている。
    だから、文化が作るコミュニティの力が大事!
    というのが論旨です。

    新しい広場とは、ここでは劇場のこと。
    趣味でつながるコミュニティの場を、欧米で革命が起こった広場に例えています。

    ぼくも文化の力はとても大事だと思いますが、少々演劇に偏りすぎでは?
    音楽やスポーツは?
    スイミングスクールやバレエ教室じゃダメなの?
    多くの文化の中で、なぜ演劇が大切なのかということには、あまり触れられていません。

    あと、1章の半分以上が、橋本大阪市長の文楽問題への批判です。
    個人攻撃本か?と驚きました。
    頭に来るのは分かりますが、書くところはもっと選んだ方がよいと思います。

    文化行政の事例紹介や、文化保険の提案などは楽しく読めました。
    30000円のオペラが、保険で9000円で観れたらステキ。
    真ん中すぎたあたりから面白くなります。

    うおー、長くなった。
    そしてちょい批判的になってしまった。
    悪い本ではありません。念のため。

  •  うむむむ……日本はハコモノを作るのは上手いけれど、それをどのように扱うかと言うか、その運営のソフトは弱いと感じる。
     なんというか、目からうろこが落ちまくる。
     しかしながら、演劇について書かれているように思われるが社会的な組織運営、自治運営の色が濃いので、文庫化する際にはタイトルを変えたほうが売れそう。

  • バッサリと言い切る論調に、たまにドキッとするする瞬間はあるけれど、その箇所以外は極めてまっとうで安定した理論展開をしている。と感じる内容でした。
    特に、芸術というものが果たす役割について、都市との関わりをベースに語られている点は、イベント事業でビエンナーレやトリエンナーレが終わらないようにするための十分すぎる指摘を含んでいます。なお、本書は外部の人間が地方に行って押し付け的な文化芸術事業を行うような取り組みとは違い、土地土地それぞれの内部から育む文化芸術についてほぼほぼ焦点が当てられており、地元町おこしを地元で考える人にぜひ読んでほしい内容。お勧めです!

  • いゃあ 面白かった

    TVはもう何十年も観たことがない
    無くても全く困らない
    でも、
    芝居、映画、音楽、芸能、が生活の中に無い
    自分の暮らしは考えられない

    それだけに
    寄せてもらっている「劇場」「ホール」たちが
    もう少し どうにかならないものか!
    と 思っていた

    なぁるほど
    そういう発想、思想、運営があったのか
    と いちいち確認させてもらえた

    「農民芸術概論綱要」を始めて読んだ時の
    高揚感を思い出しました

  • 2014/4/3読了。

  • 平田オリザ『新しい広場をつくる 市民芸術概論綱要』岩波書店、読了。全てが市場原理に委ねられる現在だからこそ「芸術に関わる者は、なぜある種の芸術分野に公的な支援が必要なのか、より明確に市民に示さなければならない」。芸術の公共性を一新する快著。 http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0220790/top.html

    平田オリザ『新しい広場をつくる』岩波書店。文楽は「面白くない」(橋下市長)。しかし『少年ジャンプ』が面白いのであればそれ「だけ」を読んでいればいいのだろうか。面白いのが悪くはない。しかし人間の力の源泉は歪な二元論的市場原理で測れるものではない。「文化の自己決定能力」にこそ存在する。

    文化の自己決定能力は本物と繰り返し向かい合うことで養われるから、箱モノを全否定する訳ではない。しかしうまく使われているのだろうか。多様化した需要に応える都市部と、ショッピングモール集中的地方での格差はひらくばかりだ。

    入れ物があればでは、そこに生きる人間が胸を張って生きていくこととは交差しにくい。だからこそ文化的環境の整備で格差是正へ。フランスのナント、青森県八戸市、埼玉県富士見市等々……国内外を飛び回ってきた著者の報告はひとつのヒントとなろう。

    本書の副題は宮沢賢治を憧憬しつつ「市民芸術概論綱要」。文化とは誰が作り誰が育み誰が継承していくのか。それは私たちであり、その参画が格差と対峙する新しい社会創出の基盤となる。グローバルを気取るアベノミクスとは対極の議論だ。

    出入り自由で各人が対等かつ闊達に向き合う空間を「広場」とすれば、コンビニ前に屯するような「場」はあったとしても、日本社会には「広場」はなかった。敷居の高低ではない。「新しい広場」を作ることである。著者の提言は新しい公共哲学ともいえよう。

    続き、本書で、宮沢賢治を題材とした井上ひさし『イーハトーヴの劇列車』が紹介されるが、「ひろばがあればなあ、どこの村にもひろばがあればなあ。村の人びとが祭りをしたり、談合をぶったり、神楽や鹿踊をたのしんだり、とにかく村の中心になるひろばがあればどんなにいいかしれやしない」。が印象的。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784000220798

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