ミルン自伝 今からでは遅すぎる

制作 : A.A. Milne  石井 桃子 
  • 岩波書店
4.11
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本棚登録 : 35
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000221368

感想・レビュー・書評

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  •  ミルンと石井桃子のふたりにいろいろな所で敬服する本。イギリス文化が好きな方にもおすすめ。とにかくミルンと石井桃子ファンなら、後書きを含め細かい文字で530頁と凄いボリュームだけど是非読んで欲しい。
     幼少時からパブリックスクールに至るまでのところが特に素晴らしい。三兄弟の末っ子として、巻き毛くるくるの小公子スタイルで愛されて育ったミルン。父親は様々な職を経て学校経営をした教育者。すぐ上の兄のケンは、ミルンよりいつも少し出来が悪いが、良き理解者でよきライバル。父親に『アルキメデスの原理』について聞いた後『ユリーカ!』と叫んでアルキメデス氏と同様スッポンポンで走り回るミルン兄弟(お風呂で原理を思いついたアルキメデスが「われ、発見せり」と言う意味の「ユリーカ!と叫んで裸で走り回ったかの逸話を真似たわけです)。かのウエストミンスター校での彼の自由で文学的な生活(あのケイトさんと皇太子が結婚式した寺院の隣にあって、毎週の礼拝はその寺院でするんだという。なんて贅沢!)。わくわくした。
     星4つにしたポイントは2つある。大人になってからが、少し退屈なのと、結婚までのロマンティックな経過や奥様のことをもう少し知りたかった。照れ屋さんなのかな。しかし特筆すべきは石井桃子さんが、この訳を90歳になってから手がけたということ。後書きを読むとこの訳に少なくとも5年はかかっていて、後書きの最後に記された日付(2003年)で計算すると、なんと96歳! (石井桃子さんは2008年101歳で亡くなられた。)訳の脚注がまたすごくて、当時の風俗や作家、政治など多岐にわたる項目に細かくわかりやすい解説をしてくれる。そして若き日の石井さんが戦争で母親を亡くしながら混沌の時代の中で「プー」の翻訳を続けたことも知った。そういう思いで訳したからこそ、今なお「石井訳プー」は私たちの胸にきらきらと輝いているのだ。天国の石井さん、本当にありがとう。

  • 勧められるがままに、自分用にこの本を買ってしまった。だって、石井桃子さんの訳だから。  旅行に行った時、プーの百ちょ森にも行ったわけだが、その後ミルンが住んでいた家に寄って、現在の持ち主に了解を得てお庭を見せてもらった。大きなシャクナゲの木が何本も植わっていて、とても広いお庭だったっけ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「その後ミルンが住んでいた家に寄って」
      良いなぁ~私も見に行きたいです。。。
      「その後ミルンが住んでいた家に寄って」
      良いなぁ~私も見に行きたいです。。。
      2012/05/07
  • プーさんの世界はこんな風な子供時代を送ったからこそなんだな、と感動すらもって読み始めていたんだけれど(それにしてもまさしく「古き良き時代!」)、本人にはプーのヒットのせいで児童作家と見られてしまうのは不本意だったんだ、とちょっとビックリ。まあ確かに「プーの作家は推理小説も書いてたんだ!」とこっちは見がちだけれど、実際は児童文学が本業というわけじゃなかったんだものね。

  • 「くまのプーさん」や「プー横丁にたった家」を読まずにミルンの自伝を読むというのはどういったものだろうか。読書会でテーマになったので読むわけだけど、「クリストファー・ロビンのうた」というのもどんな詩集なんだろう?(きっと英語で読めばわかる韻とか英語圏の文化がわかってないと楽しめないんじゃないんだろうか?)
    でも、アランとケン兄弟の楽しい子ども時代、自転車旅行とかは羨ましいなあ。アランはA.A.ミルンの最初のAなんだって。
     戯曲も詩も編集の仕事もたくさんやったのに、プーさんで有名になり過ぎてその後はつらかったみたいですね。

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