いま、先生は

  • 岩波書店 (2011年10月29日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000221870

作品紹介

早期退職を選ぶベテラン、力尽きて過労死する者、心を病む者、病いから復帰する者、迷い苦しみながら仕事をおぼえていく新人たち…。教師という過酷な、しかしひとを惹きつけてやまない仕事の"現在"をあぶり出す。この事態を打開する「解」はどこにあるのか。

いま、先生はの感想・レビュー・書評

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  • 学校は社会全体の縮図のようなものか。どうしたらよいのだろう。提言までまとめてほしかった。

  • 【請求記号】
    374.3||620

    【蔵書検索リンク】
    http://nieropac.nier.go.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB16201138&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • ゼミの新入生発表で「教育」における「教師」について扱うことになったので読むことに。

    これまで学校の問題といえば,いじめや不登校など児童・生徒の問題がすぐ思い浮かんでいたが,本書に語られる問題は教える側・教師の抱える問題であった。
    私の小学校の教師がひとり,うつ病で退職した。どうしたんだろう,と思いはしたものの,深くわけを考えたことはなかった。穏やかな年配の先生だったから意外だった。
    本書を読んで,自分は何も知らなかったのだと思い知った。教師の抱える激務――授業準備,部活動,保護者対応,更に地域行事の参加まで。更には非正規雇用の,正規雇用との格差。……本当に多岐にわたる。
    何より衝撃的だったのは,過労死した場合でも,なかなか労災認定を受けられない現実だ。同僚の口からではなく,死後見つかった本人の手記からはじめて苦悩を知る。しかし同僚もぎりぎりのところで踏ん張っているのだから,なぜ気がつかなかったのかと安易に責めるわけにもいかない。

    今求められているのは,苦しみを吐き出す場所の確保や負担の軽減,保護者の協力の強化だ。
    うつ病になるひとはまじめな頑張り屋が多いという。だから弱音をなかなか吐けない。愚痴をこぼすことは悪いことではない,十分頑張っている,とお互いを労い合う場の創設は重要である。
    事務作業の削減も望まれる。しかし,それを別の人に割り振るために非正規雇用を使うのであれば問題は簡単には解決できないことは忘れてはならない。
    そして,保護者の問題。教育がサービスと捉えられているとの指摘があるが,日本の丁寧なサービス業のもたらした弊害と考えるのは言いすぎだろうか。
    いずれにしても,未来の人材を育む人びとの問題を解決しなければ,子供たちにいい影響が与えられるはずもない。
    実情を知ること。それが,一番手っ取り早くて,難しいこと。偶然の出会いがなければ,私も知らなかった。

    あの頃の自分は何も知らなかった。あの先生はあーだ,この先生はどーだなんて,適当なことを言っていた。
    その彼らがどれだけの仕事をこなしているかも知らずに。それがどれだけ彼らを傷つけるかも知らずに。

  • 問題があまりにも多様化している教育の現場とそれに疲弊する教員たち。心を病んで辞める人、なんとか持ちこたえる人、自分のと同じ辛い思いをさせまいと後輩教師をフォローする人、様々な選択をした教員に迫ったルポ。
    勿論、この本の中の教師が全てではないだろう。やりがいを持って、尚且つ教師という仕事を心から楽しんでいる人だって多いに違いない。だがそれにしても教育現場は課題が山積みだ。親が、社会が、解決できない個別具体的な問題があまりに学校や教師にのし掛かり過ぎている。みんなあまりにワガママじゃないだろうか?学校は、権利を主張するばかりで義務を果たさない人の増えた現代社会のいわば縮図だ。
    でもなぜだろう、「こんなに現場は大変だ」という内容が大半を占めるのに、教師になりたいという自分の欲求がむしろ強まったのは。この本を読んで何度も泣いた。過労死で倒れても慕ってくれる生徒、亡くなった後も先生のことを忘れない生徒。先生と生徒の関係というのは、楽しかろうが辛かろうがそれでもずっと続くのだ。なんて魅力的な!
    教師が自ら命を絶つなんて絶対にあってはいけない。変えるべきところは声を挙げるべきだ。学校という場所をもっと広く認知させるべきだ。でも、忙し過ぎる先生はそれだけ生徒が頼ってくれているからだと思う。嬉しいから頑張り過ぎてしまう。果たしてこの循環をどうやって是正すべきなのだろう?
    自分ももしかしたら頼られ好きなのかもしれない。この本を読んで抱いた感情から考えるに、自分のことをそう思った。

  • 「先生」たちの現状を綴った本です。

    子どもと向き合えない多忙感。
    クレームの多さ。社会の歪み。
    職場での孤立。
    心を病んだ人、復帰する人。

    教師を目指す人は、こういう現実も知っておいたほうがいいのかな。

  • 先生という職業のリアルを知ってしまった…
    正直怖かったけど平和ぼけしたわたくしめにはよい刺激になったことは間違いない。
    まずは、現実を見るところから!

  • 私にとって教員になることは幼い頃からの夢であった。しかし現在の教育の世界では、数えきれないほどの問題が山積みしている。「いま、先生は」読んでいて、決して心が晴れる本ではない。しかしいつ自分の身に起こるかわからないこの現実に、僕たちは立ち向かわなければならない。教員を目指すには、並々ならぬ覚悟がいるということを学んだという点では、読んでよかったと思う。

  • ・朝日新聞の連載記事に加筆修正を施し、読者からの感想も加えたもの。
    ・現場の教師たちの呻き、悲鳴が多く語られる。ベテランといわれる教師、新任教師、非常勤講師・・・どの層も現実に苦しんでいるのがよくわかる。
    ・この現実を前に、教育学は何をできるのだろうか。思わず考え込んでしまった。

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いま、先生ははこんな本です

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