上を向いて歩こう

著者 : 佐藤剛
  • 岩波書店 (2011年7月14日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000222198

作品紹介

人々を希望へ誘う「歌の力」を活写。

上を向いて歩こうの感想・レビュー・書評

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  • 2014年ノンフィクション6位

    「上を向いて歩こう」はどうして世界中でヒットしたのだろう?

    その謎にせまるべく、音楽プロデューサー佐藤剛は名曲誕生の軌跡を追う。
    その結果見えてくるのは意外な真相。

    本書はすぐれたミステリにもなっている。
    著者はまずあの曲が誕生したリサイタルの日にふれ、そのあとは作曲者中村八大がその日に到るまでの半生を描く。
    そうしていくうちに、順風満帆と思われていた中村八大にも挫折があったことが明らかになる。
    作詞者の永六輔も六〇年安保で挫折を味わっていた。

    ナベプロの渡辺晋やマナセプロの曲直瀬直子、「ミュージックライフ」編集長の草野昌一(またの名を訳詞家・漣連児!私はこの人の訳詞が大好きだ)などの動きにもふれ、時には忘れられたロカビリー映画を分析しながらあの時代を再現してゆき「上を向いて歩こう」を鎮魂歌として見直す手続きは感動的だ。

    しかし真に驚くべきは13章、初演時の楽譜と現行の歌を比べる箇所だ。
    歌ってみるとわかるが、印象がまったく違う!
    (読者も歌えるように工夫されている)
    もともと六・八コンビの歌は詞先とも曲先とも言いがたい革新的な作り方がされていた。
    そこに九の型破りな声が合わさることで、一発勝負のようにして名作が生まれたのだ。
    六・八・九トリオの誰か一人が欠けても絶対に成立しなかった、まさに奇跡のような歌。それが「上を向いて歩こう」だった。

    さらに、この歌がアメリカでヒットするのに貢献したプロデューサー、デイヴ・デクスターJr.の未訳の自伝も漁り、ロックンロールとの関わりについても論じ、「上を向いて歩こう」が スタンダードナンバーになってゆく過程を熱く語る。
    その筆致は清々しい。

    (ただ「現在の二十代から四十代までの音楽ファンの大多数は、まず忌野清志郎の「上を向いて歩こう」を聴き、それからオリジナルの坂本九の歌に出会うという体験をしているといっても過言ではない」というのは過言です。「音楽ファン」を「ロックファン」に限定してもなお過言だと思う。細かいことですが)

    ああ、それにしてもこの歌が誕生した1961年7月21日の「第三回中村八大リサイタル」の映像、せめて音源があったなら!
    出演者は坂本九のほか江利チエミ(トップバッター兼大トリ)、ザ・ピーナッツ、森山加代子、水原弘、山田卓、谷雅子、デューク・エイセス、石井好子、栗林義信、古川太郎、三木のり平、水谷良重、加山雄三。
    司会はのちに小澤征爾と結婚する入江美樹、合間の芝居に主演していたのは本郷淳と、あの大山のぶ代だったという!

  •  著者紹介を見て驚いた。そうか、あの佐藤剛だったのか。
     伝説を越える真実を伝えている。
     

  • 烏兎の庭 第五部 書評 5.29.16
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/689.html

  • 資料ID:21103685
    請求記号:

  • 図書館にて。




    青島生まれの中村八大氏。1949年から久留米に住み、明善出身。

    <『上を向いて歩こう』はまぎれもなく哀歌、エレジーであった>
    <そこに絶対的に必要だったものにシンガーの声という「歌う力」>

  • 由紀さおり「1969」をプロデュースされた佐藤さんが「上を向いて歩こう/スキヤキ」について、紐解いている。
    その視点が、日本人による日本語の曲がなぜ世界中に轟いたのか?

    坂本九の声、生い立ち、その人となりも重要な要素だったが、永六輔と中村八大とのソングライティングの方法も面白い。

    この先、日本人は世界にどう立ち向かっていくのか?のヒントがここにあるかも?

  • 「上を向いて歩こう」に関する秘話。
    なぜビルボードで一位を獲得したのか、なぜ忌野清志郎は日本のロックンロールと言っていたのか。
    様々なエピソードと共に、本書は紹介されています。
    311以降。再び“ラジオ”にてリクエストが殺到したのも必然かもしれません。
    読み終わったあと、いい本だったな〜と素直に思えるのも久しぶりでした。
    さすがは佐藤剛さん!

    頭が疲れたとき、静かに読むのにおすすめです。

  • 最後の方が雑になったようで残念

  • 「上を向いて歩こう」を通じて、戦後の日本の状況、音楽業界の推移がとてもよくわかりました。
    ちょうど父親の年代が青春時代を過ごした頃の話になると思います。今度その頃の話を父に聞いてみたくなりました。
    また、このような、現代とは異質の情熱があった昭和の時代を思い、今の自分・日本について、考えさせられるいい本だと思います。

  • 半世紀を過ぎても皆さんに愛され続ける歌「上を向いて歩こう」(SUKIYAKI)の誕生秘話、
    坂元九さんの生い立ちも分かり、とても興味が持て、元気が出ました。

    【鹿児島大学】ペンネーム:KEN
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    鹿大図書館に所蔵がある本です。
    〔所蔵情報〕⇒ http://kusv2.lib.kagoshima-u.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?fword=11111039572
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