本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784000223515
感想・レビュー・書評
-
上海収容所時代の「太陽の帝国」の続編とも言える自伝的作品。文は私は〇〇した、と一人称の回想で、時間軸に沿ってはいるのだが、雰囲気は縦横に飛び、もやっとした妄想のような読み心地。けっこう自身の女性との交わりの場面が具体的描写で、「結晶世界」など破滅作しか読んでないので、違う雰囲気が以外だった。
1937年から始まり、その頃は戦争が始まったかどうかを調べに自転車で大通りまで繰り出した、と始まる。
かかわりあった女性たちを軸に物語は進み、最後は「太陽の帝国」の映画化で自宅付近の邸宅が上海時代の自宅のロケに使われ、撮影に招かれ少年役の少年や父母役から挨拶をされ、プレミア試写会に招かれるところで終わる。「こんにちは・・」細面で大人びた目をしたかわいらしい12歳の少年が、わたしの目の前に立っていた、とある。なにかここだけとても現実の世界。
たくさんの女性たちが去来するが、やはり通底にあるのは上海の生活で、子供時代とそれ以後と、場所と環境があまりにも断絶していると、そのかみ合わせがうまくいかず、過去にひきずられるのか、と思った。
上海時代の白系ロシア人少女の家庭教師オルガ、収容所時代の少女ペギー、ペギーとは特異な環境下であまりにお互いを知りすぎたため男女の関係を超えたものだった。戦後帰国し医学生の時の解剖台に載っていた女医。大学でのアルバイトとして知り合い妻になるミリアム。
上海時代の友デイビッドが車の衝突に憑かれる様なども挿入され「クラッシュ」などの作品を思わせる。
「上海会」なるものがでてきたた。
また戦争については「イギリス人は自分たちの戦争を知っていた。それは軍事的にも政治的にも明確な目標があった戦いであった」それにひきかえ「上海では1937年から日本に原爆が落とされるまで、わたしたちは戦闘員でもなければ犠牲者でもなかった。ただ誘い込まれて処刑を見守る見物人だった」とある。
解説では、バラードがインタビューで、妻と子供たちは別として、最後の女性のクレオ・チャーチルの原型としてガールフレンドの名を挙げている以外、作中人物はすべて想像の産物だと述べている、とあった。
装丁は横尾忠則! 骨盤のようで内容のイメージに合っている。
1991発表
1996第1刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020/8/15購入
-
うーん。
太陽の帝国が非常に面白かったので続編と銘打たれたこの作品も楽しめるかと思ったのだが・・・
作者の逡巡がそのままリーダビリティにも響いてるような・・・
J.G.バラードの作品
本棚登録 :
感想 :
