- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000223911
作品紹介・あらすじ
没後、あらためて再評価が巻き起こりつつある岡本太郎。その芸術家の枠に収まりきらない多様な活動のうち、民族学的側面にわたる仕事、すなわち有名な「縄文土器の発見」から東北、沖縄へと展開されていった独自の日本文化再発見の道行きを、気鋭の民俗学者が鮮やかに読み解く。パリ留学時代にはパリ大学に民族学を学び、バタイユらとも親交を深めた太郎が、その類まれな感性で発見していた「ほんとうの日本」とは何だったのか?画期的岡本太郎論。
感想・レビュー・書評
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先日テレビで観た岡本太郎の特集番組の中で紹介されていた書籍。
岡本太郎といえば〝前衛的な芸術家〟というイメージしか持っていませんでした。この本はその岡本太郎になるまでの前史というか、土台をつくった足跡に焦点を当てたもの。18歳から単身10年に及ぶパリ生活、帰国して兵士として中国戦線での体験、戦後は日本各地を訪ねて回ったこと。
どれも知らないことばかりでした。
岡本太郎の言葉には熱がある!
感覚の鋭さ、視点の広さ、改めて凄いですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岡本太郎の評伝。芸術は爆発〜がイメージ強かった、どうしようもないやんちゃアーティストのイメージとは違う本心の彼が書いてある。岡本太郎美術館で涙した、けどこれは、泣いて終わるような柔な主題ではない
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実は2月頃に読みあげていた本なのだけど、前後で岡本太郎関係を何冊か読んだものだから、まとめて日記でUPしようかな?と思っていたため、今になる。(・・ってことは、まとめてはやめた、っちゅうことやね?)
万博の「太陽の塔」は幼心に強烈に印象に残っているし、目ん玉ひん剥いて「芸術は爆弾だっ!」って叫んでたのも印象的な岡本太郎って、思いっきり「感覚だけ」の人だと思っていたら、さにあらず。
実はとても論理的、思考、哲学の人だったのねぇ~・・・。
そのことの発見に著者自身が驚いていく様子が読んでる方も驚かされてとても面白い。
岡本太郎って、「感覚」を「言葉に止める」ことがとてもうまい人だったんだなぁ~と。
私は彼の絵よりも彫刻の方が好きだけど、もしかしたら、著作が一番好きになるかもしれない、と思わされた本だった。