折り返し点―1997~2008

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 434
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000223942

作品紹介・あらすじ

『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』から最新作『崖の上のポニョ』まで-企画書、エッセイ、インタビュー、対談、講演、直筆の手紙など60本余を一挙収録。宮崎駿12年間にわたる思想の軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 「出発点」と比べると文化人としての自分の立場をふまえての発言も多いと思うけど、面白い。近年の宮崎作品のストーリーの曖昧さや説明不足さというのが意図的な物だということがわかる。集団での地道な作業で作り上げなければならないアニメーションという手法や人間の年齢という制限が無ければこの人はどんな物が作り出せるんだろう。

    子供が大切ということを繰り返している。あとがきにかえての最後の文章がとても心に残る。
    「子供が成長してどうなるかといえば、ただのつまらない大人になるだけです。大人になってもたいていは、栄光もなければ、ハッピーエンドもない、悲劇すらあいまいな人生があるだけです。
    だけど、子供はいつも希望です。挫折していく、希望の塊なんです。答えは、それしかないですね。人類の長い歴史の中で、そういうことが繰り返し、繰り返し、感じられてきたんだなぁと思うんです。そういうふうにできているんですね、世界は。自分たちが作り出しているのではなくて、そのサイクルの中に自分たちもちゃんと入っているんです。だから、なんだかんだと言いながらも、なかなか滅びないんだと思います。」

  • 『出発点』以降の『もののけ姫』から『崖の上のポニョ』公開までの
    エッセイやインタビューを収録。
    ジブリで一番好きな作品が『もののけ姫』であるから楽しく読めた。

    混沌とした時代とか色々言うが、それでも結局
    子供に対しては、生まれてきたこの時代、この世界を
    肯定してやりたいと映画を作り続ける姿勢が良い。

    次は『到着点』になるのかな。

  • 本書は映画監督宮崎駿が『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』から『崖の上のポニョ』まで―企画書、エッセイ、インタビュー、対談、講演、直筆の手紙など60本余を一挙収録したものです。

    本書は映画監督、宮崎駿が 1997年から2008年にいたる12年にわたっていたるところに掲載されたエッセイ、インタビュー、対談さらには講演の原稿。スタッフに向けての企画書や手紙にいたる60本以上の「断片」を収録し彼の超ド級の思想をギュウギュウにつめた一冊で、読み終えた後はある種の疲労感と達成感に襲われておりました。

    『もののけ姫』 『千と千尋の神隠し』 『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』…。出す作品出す作品がもちろんヒットし、その一つ一つが「時代」というものを的確に捉えており、宮崎駿監督の名声はゆるぎないものかと思っておりましたが、ここで浮かび上がってくるのは生々しいまでの『人間・宮崎駿』であり自分自身が『この本を出すのは本位的ではなかった』とあとがきでもらしていた理由がなんとなくわかったような気がいたしました。

    作品の一つ一つや、対談で語られている『濃い~い』話。講演で話される『思い』。ジブリ美術館に寄せる情熱。その一つ一つは読んだのがもしこれが10代だったら天地がひっくり返るような衝撃を受けたであろうことは想像にかたくはありませんでした。いわば『完成品』である『宮崎アニメ』の中にこのような七転八倒の軌跡があるのかと。これを読んでから改めて一つ一つの『宮崎アニメ』を見返すとまたさらに深い『世界』の中に入っていけるかと思われます。ただ、かなり『毒気』も強いので、もし読んでいただけるのでしたら、その点は留意していただければと、そんなことを思っております。

  • 色々な着眼点があると思うけど、宮崎駿の死生観を見る上では非常に良い資料だなと思う。文字だけだけど、なんとなくどういう人なのかが伝わってくる良い本。

  • 「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」の作品論、インタビュー、対談。文化人類学的な要素もたくさん入っており、とても面白い。宮崎駿の視線て、とても遠い所を見てるのかと思いきや、距離ではなくて周囲180°を見回しているだけなんだと感じた。

  • もののけ姫からポニョまでの企画書・対談
    紺屋の白袴

  • もののけ〜ポニョあたりまでの宮崎駿さんの書かれたものをまとめた感じなんですけど。
    とにかく分厚い。

    中身のアニメについてどうこう語るというより、そのバックボーンとしての昔から今の環境とか、人とかを語っていて勉強になります。
    養老さんとの話は興味深いです。

  • ヤックル関係 南方熊楠説で「日本ではカモシカは鳥類にカテゴライズ」されてゐたと言ふ説があったが、これに出てくるアカシシの方は、さう言ふのを調べて書きました感がない。
     てふか民俗学と言ふのは、どっかで負けてだめになった人がやるので、本著に出てくるやうな、成功したをっさんが、成功した富でもって小屋を拵へ、さらにそこでやるとか、さう言ふのはあり得ないらしい。
     他の対談のナニはいいや。

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    所在記号:778.77||ミヤ
    資料番号:10233081
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  • 野心がなければ話にならない。自分の影響力や、表現力を広げたいと思わなくては駄目なんですよ。自分の持分の中だけで、キチンとやることができれば、それで良いと思っている人間が増え過ぎている。だから野心を持って、例えば、俺は編集長になって、この雑誌をこう作ってみたいと。ただ編集長になって権力を振るうだけでは困るけど、自分の考える雑誌を作るために権力が欲しいというような野心というのは決して悪いことじゃない。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年、東京都生まれ。作品に「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」など。

「2013年 『風立ちぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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