オリジンから考える

  • 岩波書店
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000224161

作品紹介・あらすじ

ベトナム戦争反対の市民運動(ベ平連)をリードし、護憲平和運動(九条の会)の中心として活躍してきた二人の行動的知識人が、民主主義や社会のあり方について本格的に論じあおうとした対話の計画は、作家の死で実現しないまま終わった。本書は、作家小田実が生きていたらという想定の下、哲学者鶴見俊輔が試みた小田実との架空の対話を軸に、時代に屹立する二人の思想家の思想のエッセンスを凝縮した形で収める。絶筆となった作家の未発表の遺作や生前最後の講演の記録、また哲学者の単行本未収録の諸論考で構成する刺激的考察。

感想・レビュー・書評

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  • ・自らのものの考え方を、弁証法から出口を見出す。反・反共という思想。

    ・民衆の思想はWhatからはじまるのでなく、Howから始めるとよい。Howから考えて、Whatに至る思想形成が必要。Whatから始めると、強制を伴って、失敗する。地道に動くことによって認識し思考すること。思考は自由だから。

    ・認識と思考が重要。事柄をできるだけ正確に客観的に見定める。認識の上に、自由に物事を発想する。

    ・運動が広がり、伸びて行くウラには、市民運動の不文律がある。自分のやりたいことをやる、人のやることに文句を付けるな、文句があるなら自分でやれ、と。そして、必ず自分でやれ。自主的に自分が動くことが市民運動の一番基本の原理である。

  • 小田実さんが面白い
    71p~の「小さな人間の位置から」
    が 秀逸
    ギリシャ神話、ギリシャ悲劇、喜劇
    その 名前の売れた大物
    アガメムノン、アキレウス、アポロン
    そんな輩を糞味噌に解釈しているのは
    さすが 小田さん
    俺たちは 所詮
    なんの力もない そのへんのおっさん、おばはん
    つまり その他大勢のデモスなんやから
    どこに 自分を位置づけて読むかは
    大事だよ
    と それはそれは 説得力のある文脈

    「源氏物語」で言うと
    牛車を引っ張っている男が私よ。あなた方よ。

    ほんとうに その通りだ!

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プロフィール

1922年東京生まれ。哲学者。15歳で渡米、ハーヴァード大学でプラグマティズムを学ぶ。アナキスト容疑で逮捕されたが、留置場で論文を書きあげ卒業。交換船で帰国、海外バタビア在勤部官府に軍属として勤務。戦後、渡辺慧、都留重人、丸山眞男、武谷三男、武田清子、鶴見和子と『思想の科学』を創刊。アメリカ哲学の紹介や大衆文化研究などのサークル活動を行う。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭をとる。60年安保改定に反対、市民グループ「声なき声の会」をつくる。六五年、ベ平連に参加。アメリカの脱走兵を支援する運動に加わる。70年、警官隊導入に反対して同志社大学教授を辞任。著書に『鶴見俊輔集』(全17巻、筑摩書房)『鶴見俊輔座談』(全10巻、晶文社)『鶴見俊輔書評集成』(全3巻、みすず書房)『戦後日本の大衆文化史』『戦後日本の精神史』(岩波書店)『アメノウズメ伝』(平凡社)ほか。

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