虐待 沈黙を破った母親たち

  • 岩波書店 (1999年5月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784000225038

みんなの感想まとめ

虐待というテーマに対して、日常では考えにくい現実を直視させられる内容が描かれています。特に、子どもを育てる母親の苦悩や、思わず手をあげてしまう不安を抱える姿には、多くの読者が共感を覚えることでしょう。...

感想・レビュー・書評

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  • 児童精神科医の佐々木正美先生という、育児本界隈では割と有名な方の書籍の中で、この本の名前が出てきまして、興味が湧いたため手に取ってみました。

    内容としては、①実際に子どもに虐待を行ってしまった親等の虐待までの軌跡・生い立ちなどに関するエピソードと、②虐待に関する専門家らの虐待問題に対する考え、という2部構成となります。

    育児本ではよく言われている話ですが、人の心の発達には、子どもの頃の親の関わり方が大きな影響を与えていると言われているため、虐待をしてしまった親等の生い立ちにまで踏み込んで内容が展開されていた点でも、より一層興味を引かれました。

    読んでみた感想ですが、なんというか、もう、言葉がでません。読んでて涙が出そうになった部分もありました。こんな不憫なことが、日本で、世界で起こっていると思うと、本当に悲しいです。虐待を受ける子どもはもちろん、幼少期の問題を引きずるようにして生きて、苦しんで、一向に救われず、その心の歪みを子どもに受け継ぐことを、まるで運命付けられてしまっているような親たちのことを思うと、どうしようもなく虚しくなります。

    虐待というものをどこか遠い存在に感じていましたが、大なり小なりどんな家庭でも起こり得るもので、誰しもこの本の登場人物等と同じ心の問題が自分の中に全くひとつも無いなんてことは恐らくなく、誰にでも在っておかしくないものと思います。虐待という大きな歪みとなって現れるケースはそう多くはないと思いますが、手が出てしまったり、声を荒らげてしまったり、ということはあるのではないでしょうか。この心の小さな歪みを、自分の子ども等には絶対に引き継がせてはならないと固く心に誓いました。

    そして、きっと今もこんな風にどこかで苦しんでいる子ども等、そして親等がいると思います。その方々に私が何か出来ることはないのでしょうか。これは、私たち子育て世代が課せられた使命なのではないかと思います。

    マスコミや世間の声は、虐待という行為そのものの結果だけにフォーカスし、問題を矮小化させ、親に罰を与えることばかりに熱を上げていますが、わたしたちが虐待の問題を考える時には、虐待してしまう親へのケアや共感の気持ちを持てない限り、何も前に進めないと思います。

    この本が出版されたのは1999年ですが、それから四半世紀ほど経った今2025年になっても、この本の内容は古臭いという風には感じられず、状況は変わっていない様に思います。

    どうか少しずつでも、これからの世界が変わっていってくれることを願います。

  • 虐待なんてありえない!と普段は思っていても、実際に子供に手をあげてしまう母親の話を聞いていると、自分もしてしまうかもしれない・・とあっさり不安になってしまうね。
    それにしても父親って子育ての場に出てこないなー。

  • 2006.12.20読了。4人の虐待経験者の育成暦や虐待の実態。児童相談所が権限を持ちながら機能していないことを指摘しているが、出版されてから7年経った今でも、状況は変わっていない。虐待から子どもを救うためには、児童相談所の根本的な梃入れは必要だと思った。

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著者プロフィール

Hosaka Wataru ほさか・わたる
1954年生まれ。
1979年、共同通信社入社。社会部、編集委員室編集員などを経て、
現在はフリージャーナリスト。
主として家族や子どもをテーマに取材を続けている。
著書に、
『虐待  沈黙を破った母親たち』
(岩波書店、1999年)、
『厚生省AIDSファイル』
(岩波書店、1997年)、
『迷宮の少女たち』
(共同通信社、2006年)、
『ひびわれた仮面  東京・文京区幼女殺害事件』
(共同通信社、2002年)、
共著に、
『子どもの貧困連鎖  新潮文庫』
(池谷孝司との共著、新潮社、2015年)、
『ルポ 子どもの貧困連鎖  教育現場のSOSを追って』
(池谷孝司との共著、光文社、2012年)、
『かげろうの家  女子高生監禁殺人事件』
(横川和夫との共著、共同通信社、1990年)、
『ぼくたちやってない  東京・綾瀬母子強盗殺人事件』
(横川和夫との共著、共同通信、1992年)などがある。

「2020年 『ひきこもりのライフストーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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