近代日本の国際秩序論

著者 : 酒井哲哉
  • 岩波書店 (2007年7月5日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000225601

作品紹介

吉野作造・新渡戸稲造・泉哲・矢内原忠雄・橘樸・平野義太郎・信夫淳平・蝋山政道・横田喜三郎・田畑茂二郎・矢部貞治・岡義武・丸山眞男。戦間期の国際主義と帝国主義の狭間で、彼らはいかなる国際秩助構想を紡ぎだしたのか?戦後日本は、戦前・戦中期の国際秩序論から何を継承したのか?理想主義と現実主義、大正アナキズムとアジア主義、社会民主主義と帝国秩序、広域秩序論とナショナリズムなど、政治思想と国際政治のさまざまな交錯から、日本の経験を検討する。近代日本の国際秩序論の展開を、思想史的文脈と政治史的文脈の双方から捉え、二〇世紀思想史のなかに国際関係論の系譜を位置づける新たな試み。

近代日本の国際秩序論の感想・レビュー・書評

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  • 1932年(昭和7年)に早稲田大学で「国際政治論」という名称で信夫の講義が行われたが、これは日本の大学で初めて国際政治学が正式の科目名として採用された例とされている。国際政治という呼称は第一次大戦後の時代状況を背景に登場した伝統的な国際法、外交史とは区別された新たな学知の対象領域を示していた。

    蝋山政道は日本の行政学の草分け的存在である。大正期における社会科学の成立事情を反映して蝋山の学問的軌跡は伝統的な国法学的政治学が前提とした国家概念の所与性の解体から開始された。
    蝋山は国際政治の経験的基礎として、国際組織、制度を重視する。国際政治組織とは国際社会なる全体社会の構成・維持および発達のため生み出され、その成員の活動に対して統制を加える職分を有する。

    国際関係論の来歴において、植民政策学は忘れられている、存在である。アメリカと異なり、伝統的にマルクス主義の影響が強かった日本の国際関係論研究においては、帝国主義論の重要性が強調され、植民政策学はいわば、その前史として、しばしば言及されてきた。

    国際法、外交史という国際秩序にかかわる学知と植民政策学という帝国秩序にかかわる学知という2本立ての編成が国際関係論へと一本化される過程でもあった。

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