群島‐世界論

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000226219

作品紹介・あらすじ

「世界」を「群島」として再創造する新たな思想の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 群島とは、大陸的なるもの-近代国家や国語-の対極にある思考の一つの原理であり、制度的支配秩序の外部または裏面としての、時間・政治・言語の混淆した多様性を意味する。著者は、大陸的なるものに根ざすのではなく、海の潮流に身を委ねるように、群島的想像力により世界のVisionを反転させてみせる、独創的な文学論であり、J.ジョイスや島尾敏雄、D.ウォルコット、或いはカリブ海のクレオール詩人やゲール語で書くアイルランドの詩人たち、それらの文芸作品、遠く隔たった地で語られ書かれた言葉同士が、縦横に結ばれ共振する。

  • 近代より支配的となった、所有と契約に統らべられた大陸の論理を反転させた、贈与と信頼に基づく群島の世界観を綴った書物。
    ジェームズ・ジョイス、ラフカディオ・ハーン、島尾敏雄、カリブの詩人達といった群島的な世界観を持った作家の、著作や生涯を辿りながら、群島の世界図を作成しようとする壮大な試みが展開される。
    詩的でイマジナリーな記述は、とてもスリリングかつ魅力的。
    文体がかなり修辞的で入り組んでいるのと、500頁近い大著なので、時間と気の長さがある人向きの本です。

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著者プロフィール

文化人類学者、批評家。1955年東京に生まれ、湘南で育つ。1982年よりメキシコ、キューバ、アメリカ南西部に滞在し調査研究に従事。2005年より東京外国語大学大学院教授を務める。2000年以降、サンパウロ大学、サンパウロ・カトリック大学などで客員教授を歴任。また2002年より、群島という地勢に遊動的な学び舎を求めて〈奄美自由大学〉を創設し主宰する。主な著書に『クレオール主義』(青土社 1991;増補版 ちくま学芸文庫 2003)、『ミニマ・グラシア』(岩波書店 2008)、『ブラジルのホモ・ルーデンス』(月曜社 2008)、『群島―世界論』(岩波書店 2008)、『サンパウロへのサウダージ』(C. レヴィ=ストロースとの共著、みすず書房 2008)、『レヴィ=ストロース 夜と音楽』(みすず書房 2011)、『書物変身譚』(新潮社 2014)、『ジェロニモたちの方舟』(岩波書店 2015)『ハーフ・ブリード』(河出書房新社 2017)などがある。2017年に『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(みすず書房 2016)により第68回読売文学賞を受賞。同年、これまでの主著を含む新旧著作のコレクション〈パルティータ〉全5巻(水声社)が刊行された。

「2018年 『ブラジル映画史講義 混血する大地の美学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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