軍事力で平和は守れるのか 歴史から考える

  • 岩波書店 (2023年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (278ページ) / ISBN・EAN: 9784000226486

作品紹介・あらすじ

世界中で高まる防衛力強化への潮流は、本当に戦争の抑止につながるのだろうか。戦争・軍事、そして平和をめぐる人類の百余年の営みはどのようなものだったのか。近現代世界・日本の戦争から軍事力がもった意味を問い直し、平和への教訓を探る。これからの日本と東アジアについて、自分たちが考えていくための土台を提示する

みんなの感想まとめ

軍事力と平和の関係を深く考察する本書は、現代の戦争や軍事力の役割についての重要な問いを投げかけます。特に、抑止力としての軍拡が果たして本当に平和をもたらすのかという疑問が、多くの読者の関心を引きました...

感想・レビュー・書評

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  • 抑止力としての軍拡には際限が無くなってしまうのではないか?という疑問から読み始めた。
    やはり徹底した外交努力以外に、平和を守る術はないのではと思うが……。

  • この本に著者たちは、ブルシットジョブの中でのうのうと時間を浪費してきた輩だ。クソと言っても良い。一体どうすれば現代の、ハイブリッド化した戦争に具体的に対処すれば良いか、愚論と無責任な引用だらけの羅列から何も見えてこない。
    もしロシアが南下して北海道を占拠し、同時に中国が台湾に侵攻する。日本海側から北朝鮮が核と高度なミサイルで威嚇したら、どう対応するのか。想定外という輩は、自ら無能だと認めることになる。プーチンも習近平も、金正日も自ら自国を守れない国を国家として認めていない。パワーポリティクスの世界ではアメリカは他国を真剣に守りはしない。

  • 7人の学者の共同執筆による”戦争論”。

    本書が上梓されたのは2023年8月、まさにロシアとウクライナの戦争の真っ只中である。

    本書のあとがきによれば、「ウクライナ戦争を一つの手がかりとしながら、近現代の世界で戦争に人びとがどう関わってきたかということを歴史的に考えてみる」ということを目的として、本書はかかれたとある。

    たしかに、近現代に生じた戦争を詳細に振り返っているのは事実だ。
    例えば、第二次世界大戦における各国の戦死者数だとか、日米空母戦力の数滴比較など、『失敗の本質』を彷彿とさせる”戦争論”が展開される。

    ただ、そちらに重きが置かれすぎ、肝心の本書のタイトルである『軍事力で平和は守れるのか』に対する答え、すなわち、「軍事力以外の平和の選択肢を模索する」ということに紙幅がほとんど割かれていない。

    少なくとも、私の興味はそこにあったのだが、残念ながら、本書にはそれに対する明確な答えは見つけられなかった。

    そんな中で、印象深かったのは、木畑洋一氏(東京大学・成城大学名誉教授)の今般のロシアとウクライナの戦争は、プーチンがかつてのロシア帝国の判図を回復を目指しているという点において、18世紀以降の植民地戦争とパラレルに考える視点だ。

    そして、戦争をなくしていくためには、「植民地支配への反省を含む国家間の真の平等性の追求や、植民地時代から持ち越された分断や差別を解消していく努力が求められているのである」としたうえで、「こうした歴史的視座は、現代世界の紛争・戦争について考え行く上で重要である」という。

    このほかにも、山田朗氏(明治大学文学部教授)が引用した、石橋湛山(当時内閣総理大臣)の言葉も印象的だ。
    これは、まさに、軍拡にひた走る、今日の日本(岸田内閣)への大いなる警句である。

    ”昔から、いかなる国でも、自ら戦略的軍備を保持していると声明した国はありません。すべての国が自分の国の軍備はただ自衛のためだと唱えて来ました。たぶん彼らはそう心から信じてもいたでありましょう。
    だが、自衛と侵略とは、戦術的にも戦略的にも、はっきりした区別のできることではありません。かくて自衛軍備しか持っていないはずの国々の間に、第一次世界大戦も第二次世界単線も起こりました(中略)。人類を救わんとするならば、われわれは軍備の拡充競争を停止し、戦争を絶滅しなければなりません”

    本書において、このような論考がもう少しあるとよりよい物になったと思われる。

  • はじめに
    第Ⅰ部 ウクライナから考える
     第1章 ウクライナ戦争はどのようにして起こったのか………南塚信吾
     第2章 NATOの東方拡大は戦争を抑止したのか………油井大三郎
     コラム1 ユーゴスラヴィア紛争からの教訓………山崎信一
    第Ⅱ部 近現代世界史の中の戦争と平和
     第3章 どのような戦争が起こってきたか………木畑洋一
     第4章 軍拡が戦争を呼び起こす………山田 朗
     第5章 戦争を許さない世界を求めて………木畑洋一
     第6章 平和を求める運動はやむことはない………南塚信吾
     コラム2 武力で平和は守れない………藤田 進
    第Ⅲ部 日本をめぐる戦争と平和
     第7章 日本の戦争から考える──軍事同盟と〈戦争放棄〉………山田 朗
     第8章 東アジアの戦争をどう防ぐか………油井大三郎
     コラム3 「バンドン精神」はどのように継承されているのか………小谷汪之
    おわりに 戦争と平和を歴史から考える………木畑洋一

     歴史学研究は現代の戦争にどうアプローチするのか? その一つの答えは、視点を変えること、パースペクティブを広く取ることなのだろう。第1章の南塚は、ウクライナを1980年代以降の「新自由主義」拡大の重要なフロントの一つと位置づけ、独立当初は非核化と中立化を志向したウクライナに対する米国の持続的な干渉と介入という経緯を浮上させる。第2章の油井は、ソ連=ロシアから見たNATOの東方拡大の非連続的なプロセスをたどりなおし、ドイツの統一を可能にした欧州での新たな安全保障枠組みの構想が、米国内の政治状況との相関でなし崩し的に反故にされていったさまを明らかにした。

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著者プロフィール

1942年、富山市生まれ。千葉大学・法政大学名誉教授。世界史研究所所長。渋谷二丁目17地区市街地再開発組合理事長。
近著には、単編『神川松子・西川末三と測機舎』(アルファベータブックス、2021年)、『「世界史」の誕生』(ミネルヴァ書房、2023年)、共著『歴史的に考えるとはどういうことか』(ミネルヴァ書房、2019年)、『歴史はなぜ必要なのか』(岩波書店、2022年)、『図解で学ぶクリティカル・シンキング』(アルファベータブックス、2022年)、『軍事力で平和は守れるのか』(岩波書店、2023年)などがある。

「2024年 『地図で見る渋谷東のあゆみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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