けなげ

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 14
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000227209

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  • 英語しか話せないガイジンの父、無口で寡黙な日本人の母。

    その間に生まれた「私」は40歳を目前にして独身。

    腸閉塞に腸血栓で生死の境をさまよった父の闘病に、家に残る母と仕事を抱えながらの息をつく間もない日々。

    欝状態になりながらも前へと確実に進んでいく女の話。

    満州の話は壮絶。
    自分は祖父母とかの戦争体験者とはあまり関わりがなかったため戦争の話を間近で聞いたことがないような気がするんだが。
    沖縄のひめゆり記念館みたいな建物思い出した。

    蟹と彼と私と似てる感じ。
    ちなみにこれは実話ですかエッセイ的な感じですかね。

    奮闘していつだって何かと戦っている人っていうのは強くて情熱的なんだなぁ、と)^o^(

  • 半自伝的小説‥‥なのかな? 八十六歳と八十歳の老親の本当にけなげな介護(?)録。
    大学での仕事に大わらわで帰ってきては惣菜で夕飯を取らせるが、いまだ日本語がわからないが話好きの船乗りだった父と、処女懐胎を信じるほど夫を毛嫌いしている母との間で神経疲れし、結婚しておらず勿論子供もいない四十五である自分を嘆き、母の骨折、愚痴、整体の先生に話を聞いてもらい、笑い飛ばしてもらうことでなんとかバランスを保つ日々。
    その整体師の先生の苦労談、その芯となった整体師の母の戦前から満州での戦争譚が挿話されているのですがこれがまたどちらもすごい。
    さらに父が入院、仕事はやめようかと思い詰め鬱になり、アルコールが手放せない毎日。
    父の病院への送り迎えをしてくれる女性タクシードライバーの紆余曲折なんかで〆られていますが、主人公だけでなく苦労する女の姿の数々には本当に一言、「けなげ」。

  • ほらふきアンリさんもお年を召されたようで。荻野家のハチャメチャぶりにはちょっと驚いた。アンナさんもヒステリー起こしたりされるのですね。なんだか親近感がわきました。

  • 現在読み途中。今まで以上に私の心に突き刺さりそうな本です。

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著者プロフィール

作家、慶應大学文学部教授

「2015年 『DIARY 母と庭の肖像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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