- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000227346
作品紹介・あらすじ
株価急落、東京二信組・兵庫銀行の破綻、そして住専処理へ-後手に回り続けた政策判断、その思惑を徹底検証する。
感想・レビュー・書評
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西野先生の本はまだ2冊しか読めていないが、どちらも大学の経済学、いや、高校の現代社会の教科書にしてもいい内容である。
現代の視点から過去を判断するのではなく、過去の視点から過去を書きだそうとする姿勢を貫いているため、あたかも自分がその時代の承認になったような気分で読み進めることが出来る。
『検証』シリーズの残り2冊と、『日銀漂流』も読むのが楽しみである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日銀総裁が出てきます。公的資金注入すべきだと指摘しています。将来は見通せないでしょう。しかし、現実は見えていた。さすがです。
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バブル後の不良債権処理が遅れた理由を検証するルポルタージュ。
92年当初、不良債権の規模は小さいものであり、処理コストはそれほどかからなかったようだ。
その時点で時の首相宮沢喜一は公的資金の注入を考えていた。
また、日住金を破たん処理させることを考えていた三和銀行のような存在もあった。
つまり、競争力のない金融を退場させる声は確かに存在した。
しかし、当時の大蔵省銀行局長寺村信行は、公的資金の注入を避けた。
世論の反発も予想されただろうが、それ以上に価値のない債権者を守ることを選んだことが大きい。
これが大きな分かれ目となり、先送りの大きな原因となった。
非常に丁寧に取材をしたことがうかがえる。
ビッグネームの発言がそっくりそのまま抜かれており、迫力や臨場感が湧いてくる。
事実としては10年以上前の内容ではあるが、現代を読み解く上でも大変参考になる。
競争力の乏しそうな企業を延命させることがどれほどの意味を持つのだろうか。