限界にっぽん――悲鳴をあげる雇用と経済

制作 : 朝日新聞経済部 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 30
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000227988

感想・レビュー・書評

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  • 「ネットカフェに泊まれば1000円取られるがマクドナルドなら1杯100円のコーヒーでずっと居られる。非正規職員が職を失った先に辿り着く束の間の休息の場所。明日をも見えない不安の中で社会のセーフティーネットからこぼれ落ちた人の数少ない受け皿となっているのが深夜営業の店である。他方、勝ち組と言われる正規職員も安閑とはしていられない。パナソニック、ソニー、朝日生命・・・・・一流企業に広がる追い出し部屋。過酷ノルマ、連日のダメだし、慣れない肉体労働などで職員に辞職を強要する。心を病み自殺をする人が後を絶たない。仕事が原因で鬱となり労災認定された人がこの10年で5倍に増えている。自殺による社会的損失は3兆円にも及ぶ。超高齢化社会を迎え、成長戦略の鍵を握ると言われる介護分野も課題は山積である。効率を優先するあまり、人員は最低限、職員の処遇も厳しくサービスは低下の一途を辿っている。日本のあらゆるシステムが行き詰まり機能しなくなった姿が「限界にっぽん」である。実名を挙げ洗いざらいレポートする朝日新聞の蛮勇に拝跪。

  • 日本型雇用モデルはすでに形骸化し、非正規と正社員の二分化だけではなく、正社員自体も「追い出し部屋」などで窮地に追い込まれている。
    こうした日本で働く全ての人が悲鳴をあげているまさに、「限界にっぽん」を明らかにした作品。

    最後に欧州ではsocial investmentなど「ひとづくり」に多大な費用をかけている。対して現政権は、子供手当をばらまきと批判しながら、自らは「国土強靱化」とばらまいておき、social investmentは一向に増やさない。

    亡国の道をたどっているようにしか思えない。

  • 読み進めていくと
    暗澹たる気分になっていく
    確かに「今」起きていることであること
    それも現在進行過形であること
    が 淡々とレポートされていく

    怖ろしいのは
    その中に
    つい先日耳にした
    「つらい人のつらい話」が
    そのまま一例として挙げられていたこと

    私たちの国はどこにいこうとしているのだろう
    食べること
    住まうこと
    暮らすこと
    そんなことが
    当たり前である
    私たちでありたい

  • 「なんとか雇用を増やそうとして派遣の自由化を行った。業績改善すれば企業は正社員を増やすと思った。誤算だった。」という坂口元厚労大臣。企業にしてみれば、麻薬が合法化されたので手を出したら中毒になってやめられなくなったという事だろうな。ある意味現在の雇用問題の全ての始まりはここにあるように思う。
    その他、最近は派遣よりも出向受け入れが流行っているとか、「償却切れ老人」とか、知らない事もあり参考になった。が、普段新聞を読まないせいか、新聞記者が書く独特の文章には読みにくさを感じるし、基本的に取材内容を情報伝達するだけなので深い論考もない。雇用をテーマに時事問題としてまとめて知るにはよい本だとは思う。

  • ネットカフェ難民以下のマクド難民、セーフティネットが機能しない現実に、どう対処すればよいのか。現実的な政治の力が必要。

  • 何もかもが金に換算できるって、思うんだろな。
    時間が、人が、何もかもが。

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