恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化 (1)

制作 : 長谷川 眞理子 
  • 岩波書店
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000228237

感想・レビュー・書評

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  • 2002年刊。全二巻中の第一。◆雄の孔雀の無駄に見事な羽、また、環境適応に必ずしも必要とは言えない人の言語・芸術の才。これらがいかに進化の過程に乗ったのか?。この疑問に対し、ダーウィンは進化のメカニズムに自然選択の他に別の回答を用意する。それは性選択・配偶者選択仮説。◆本書は、叙述がやや冗長で重複も多いが、この性選択仮説が一旦消滅し後に復活した過程、この内容とこれを基礎づける脳のランナウェイ進化・装飾の適応指標度との関連・感覚のバイアス等を解説。ただ、環境適応度が単線的な指標で序列化できるように読める点。
    (人が備える環境適応要因は複数あり、人によりそれらの優劣には多様性があるとの疑問)あるいは、配偶者選択をしているのは雌だけ(特に人)と読める点(雌ほどではないにしても、雄だって配偶者を選んでいる)には疑問もあるが、ともかく、単純なハンディキャップ仮説だけではない分析がいい。また、コンピュータプログラムによるモデル分析以外、数理分析が難しい領域だろうが、その点も可能な限り意識しているのもいい感じかな。

  • 人は何を基準に恋人を選んでいるのか。人を魅力的に見せる、身体・装飾・言語・美術・スポーツ・道徳性・創造性といった、深く人間性に関わっている特徴は,どうして生まれてきたのか。自然淘汰の理論ではどうにも説明がつかなかったこれらを.恋人選びという視点に拠りつつ,ダーウィンに提唱されながらも省みられなかった性淘汰理論で、長年の進化の謎を解き明かす。前半部は良質の性淘汰理論の総説。
      ――2009/08/31

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    // 1.セントラルパーク
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    ・類人猿─彼らはどうやってニューヨーカーに変身したのだろうか?
    ・心は問題解決にのみ最適化されたわけではない。性淘汰を忘れるな>認知科学者
    ・今まで、進化心理学は性的な好みを進化の原動力ではなく、進化の結果と見なしてきた。が、それは違う。人間の心は月の光のもとで進化した。
    ・進化心理学の武器は2つ。生存上の有利さによる自然淘汰と繁殖上の有利さによる性淘汰。但し、広義の自然淘汰は性淘汰を含む。
    ・大きな脳を持っている生物は少ない。大きな脳がそんなによいものならば、すべての動物の脳が大きくなっていってもおかしくはないのになぜだろうか?
    ・人間の脳の巨大化と、心の進化は時間的に相関していない。なぜか?
    ・ウィットや寛大さ、宗教、文化などは生存上の有利さが説明できない。なぜこれらは進化の過程で発生したのか?

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    // 2.ダーウィンの非凡さ
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    ダーウィンは自然淘汰と性淘汰の両方を発見したが、世間からは自然淘汰のみが受け入れられた。ダーウィンは性淘汰を主に研究した。性淘汰の理論はダーウィンから100年近く顧みられることはなかった。
    あのフィッシャーは性淘汰の重要性を見抜いていたが、当時それを理解できる人材は物理学に持っていかれており、生物学にはカスしかおらず、フィッシャーもまた理解されるまでに30年の月日(1958年)が必要だった。そして20世紀も終わりにさしかかった頃、ようやく性淘汰は生物学において脚光を浴びる分野となった。

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    // 3.脳のランナウェイ進化
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    ランナウェイ進化とは、性淘汰による進化が、正のフィードバックループの中でカオティックな振る舞いを見せること。
    一見人間の脳の進化を考える上でランナウェイは有効に見えるが、実は人間の脳の進化はランナウェイにしてはゆっくりすぎる。別のプロセスを考えるべき。
    また、ランナウェイは性差を大きくする方向に機能するが、人間の雌雄間で脳の質量やIQの差はない。
    文化的要因と進化的要因が複雑に絡まっており、結論として何かを言えるだけの十分な証拠はまだない。
    筆者は相互的な配偶者選択が、人間の脳の進化をドライブしてきたと考えている。

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    4.恋人にふさわしい心
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    有性生殖は、突然変異によって生じた損害を封じ込めるために出現した。
    進化は長期的に見れば勝者が総取りするゲームである。平凡な子どもをたくさん作るよりもうまくいくチャンスの多い子どもを少数作る方が重要。
    であるならば、恋人をランダムに選ぶのは愚かなことだ。
    人間の心の能力は、性淘汰における適応度指標として進化してきたのかもしれない。(健康な脳理論)
    適応度とは何か?
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    5.装飾の天才
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    // Ⅱ巻へ続く
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    6.更新世の求愛
    7.からだに残された証拠
    8.誘惑の技法
    9.育ちのよさの美徳
    10.シラノとシェヘラザード
    11.恋人を口説くためのウィット

  • 和光469//84-1 2F

  • ダーウィン以来の性淘汰の歴史から、ランナウェイ淘汰、ヒトの祖がどうやって性的パートナーを選んできたか、みたいな話。動物のことはいいのでヒトのことをもっと書いて欲しかった。

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