- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000228251
感想・レビュー・書評
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朝日新聞の「CM天気図」コラムでCM批評をしている著者が、明治学院大で2000~2001年に開いていた講義内容をまとめたもの。
20世紀、1900年のパリ万博が広告の始まりだとして、21世紀までの広告のあり方の変化をたどる。
広告は商品の良さをアピールするだけでは面白みがなく、その時代の生活・社会を風刺することで、人の目を惹きつけられるんだということに納得。
NASAの月面着陸成功や、ヒトラーの扇動的演説、20世紀の自動車社会、9.11事件のメディア報道などを「広告」として見る視点が興味深く、一気に読んでしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者がところどころ引用する新聞広告や学者の文言などは、博識であればこその言葉の拾いあげ(キュレーション)であって、そしてそれらが物事の的を射ているという的確性があります。フォードやフォルクスワーゲンなどの車の広告についてや、片岡敏郎という戦前の名コピーライターの人や、20世紀の広告といえば、負の遺産としてこれは外せないヒトラーについてなど、多岐にわたって簡潔に、そして本質を突いて広告というものを教えてくれます。開高建さんや山口瞳さん、糸井重里さんの名前も出てきます。面白いと言っても、そりゃ、「これを読めば名コピーが書ける!」というハウツー本みたいなものではないのですが、広告の概論を読むという感覚で楽しめてしまう。こんな講義が大学であったんだから羨ましいと思ってしまいました。
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★2013年12月10日読了『広告論講義』天野祐吉著 評価B
先日逝去された広告界の御意見番、天野祐吉氏が、2000年から2001年に明治学院大学で開いた講義のサマリー版。
時代の空気を伝えるのが、広告。物の宣伝だけでなく、人々の吐息、生き様も表現するのが、広告なのだという視点は、説得性がある。
21世紀初頭には、暴力的な見ることを強制するTV広告から、インターネット広告への転換は、広告のあり方が大きく変わっていくと指摘している。
期待したほどの面白い内容ではなかったので、評価はB
日経新聞だったか、彼の毎週の記事の方が、数倍面白く、それらをまとめた本が出版されることを期待したい。 -
今年10月に亡くなられた天野祐吉さんが2000年から2001年にかけて明治学院大で講義された広告論の講義録がベースになった本。
そのような訳で大変読みやすく、興味深い。
広告論というより、断片的広告史に天野さん流の批評コラムをつけたような内容で、題材は
・パリ万博
・南極探検隊員募集
・エンゼルと福助
・T型フォード
・ヒトラー
・スモカ歯磨
・フォルクスワーゲン
・アンクルトリス
・NASA
・ハングリー?
という10+補講「明日の広告」
即実務に役立つというものではないが、広告に直接、間接に関わる人は読んでおいて損はないかと。
純粋に面白かった。 -
今までではなく、これからを語らないと広告「史」論になってしまう気が・・・
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「広告批評」の編集長として有名な天野祐吉さんの「広告論」です。
2000年から2001年にかけて行われた明治学院大学での講義録をベースにしたしたものとのこと。ちょっと古い著作ですが、内容は20世紀の広告を材料にしたものなので、今読んでもその主張には首肯できるところが多くあります。 -
ステーキを売るな、シズル(肉の焼ける香り、音)を売れとは、どこかで聞いたフレーズですが、本書で扱われる広告の数々も、「金魚〜え〜金魚〜」の金魚売りの売り口上に初まり、人の創造力と広告、そしてその土台となった時代背景の絡みも有機的に展開され、非常に楽しい一冊です。
ロールスロイス販売におけるオグルビーの名作〝At 60 miles an hour the loudest noise in this new Rolls-Royce comes from the electric clock”からグリコの商標まで。
面白いのは、身振りのリハーサルまでしてナショナリズムを売った、ヒトラーや、アメリカを売り込むはずが地球規模の視点を与えてしまった月面探索など。
昨日までないもの、それが今日あるという差異を告げる広告の本質。それは「売る」を越えて「喜んでもらう」という仕事本来の喜びを与えてくれる気がしました。 -
「現代人は技術文明の上では巨人になったが、芸術文化の面ではでくの坊になった」(ルイス・マンフォード)ケータイで話す内容はどうでもよいことが多い・・
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2008.2.23