子どもたちのアフリカ: 〈忘れられた大陸〉に希望の架け橋を

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000228558

作品紹介・あらすじ

親をエイズで亡くした子どもは1100万人。少年兵は13ヵ国で10万人。毎年20万人もの子どもが「奴隷」として売買されている。女の子の場合、一般に男より社会的地位が低く性的虐待などが、さらに加わってくる…。次の世代を担うアフリカの子どもたちの未来はどうなっていくのだろうか。きびしい状況のなかでも、よりよい未来をめざして新たな模索を始めている人たちは、何をしようとしているのだろうか。日本にいる私たちは、何をしてはいけなくて、何をしたらいいのだろうか。二十数年間にわたって、ジャーナリスト、国連職員、そして外交官としてアフリカにかかわってきた著者が、アフリカの今、そして未来を、数多くのデータとともに、子どもたちを通して描く。著者の暖かい眼差しが感じられる渾身のルポ。各国の紹介、関連URLなど、資料も充実。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだアフリカに関する本。
    詳しく書かれていたので理解するのは簡単だったが、自分の日常からは想像できない事柄ばかりだったので、理解は出来ても感じたりイメージすることが出来ず。
    だが、間違いなく私はこの一冊をきっかけに、今まで以上にアフリカに興味を持った。
    表紙の少女は10歳くらいに見えるが実際は18歳。
    母親と共に売春で生きている。
    貧困層はそれしか仕事がなく、辛い状況もあるだろうにいつも笑顔を絶やさないという彼女になんだか切なくなった。
    「エイズになっても20年は生きられるけど、売春しなければ今日食べるものがない」発言にショックを受けた。

    もっとアフリカを知って、自分に出来ることをやろうと決意させられた一冊でした。

  • ふむ

  •  アフリカに対してのイメージは大まかなものをもっているだけに過ぎず、どのような事が行われているかも知らなかった。この著書に記述されている文化という言葉では片付けられない慣習と現実。アフリカの子供たちがどのように生活しているか。
     今現在アフリカがどのように変わり、将来どのように変化していくかは分からないが、アフリカの片鱗を知る事が出来る。

  • 読むのに覚悟がいる本。

    アフリカの悲惨な現状を受け入れ、理解するのに覚悟がいるのは
    もちろんのことだが、

    それ以上に客観的なデータで説明されるため、感受性がなければ、

    「へ〜、大変なんだな。」とどこか遠くの国で行われている自分とは

    全く関係ないことだと感じさせてしまう気がする。

    個人的には、もう少し今後のアフリカの支援のあり方、行政、援助国、民間セクターとの協力の仕方等具体的なアクションに繋がる部分にも言及して欲しかったなと思う。

    ただ、客観的にアフリカを知るには、情報量もある程度豊富で、出典もしっかりしているため、良書。

    後は、それを自分の関係分野に落とし込むために、実際に現地へ行くだけ。

    モチベーションはかなり上がった。

  •  これは2005年に出版された本である。
     今はまた状況が違うのだろうとは思うのだけれど、確実に根本は変わっていないとも思う。

     私自身が、日本に置いては、割と底辺で働いている方だと思う。が、アフリカの子供たちが農園で朝の5時から夜の23時まで働いた結果安く仕入れたカカオで出来たチョコレートを100円で買える。
     搾取している側なんだよなーと思った。ものごとが簡単に安く買えるということは、非合法なレベルで安く仕入れる手段が必要なんだよね。
     そういうことを考えさせられました。

  • アフリカの現実を性的虐待・エイズ・奴隷・少年兵士などの子供の視点で描いた本

    まずはフェアトレード製品を買うことから始めよう!

  • 石弘之著「子どもたちのアフリカ」岩波新書(2005)
    * アフリカの子どもたちを取り巻く様々な問題のなかから、「エイズ孤児」「性的虐待」「女性性器切除」「子ども労働」「少年兵」「奴隷制」の6つに焦点があてられています。
    * アフリカはひとくくりにするにはあまりに広大で多様性に富んでいる。面積は日本の約80倍、欧州と米国がすっぽりと入る大きさです。キリマンジャロのように万年雪を頂いた高い峰もあれば、世界の砂漠の3割を占めるサハラ砂漠や、野生動物の群れるサバンナ、熱帯林、大湿原、さんご礁の海もあります。
    * アフリカに対しては、「何をすべきか」の前に「何をすべきではないか」をまず考える必要があります。
    * アフリカの子どもたちの救済こそ最優先順位のトップにそえるべきだと思っています。次世代のアフリカを背負うべき子供達の救済は、緊急の事態を迎えていることを再度声を大にしていいたい。

  • アフリカ行かなきゃ。

  • 無関心による大量虐殺、とはよく言ったもの。

    しかし、南アフリカでのワールドカップ開催が疑問で仕方なくなってくる。

  • 2007年2月1日の日本アムネスティのMLによると、2000年にEUで「チョコレート」の原料が100%のカカオ豆でなくてもよく95%でよくなったことから、カカオ豆が値崩れし、生産地ではこれまで以上に児童労働が多発しているそうだ。この本にはその状況が描かれ、チョコレートには「こどもたちの血と汗と涙」も含まれている、と表現されている。

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著者プロフィール

1940年東京都生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞入社。ニューヨーク特派員、編集委員などを経て退社。国連環境計画上級顧問。96年より東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使、北海道大学大学院教授、東京農業大学教授を歴任。この間、国際協力事業団参与、東中欧環境センター理事などを兼務。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。主な著書に『感染症の世界史』『鉄条網の世界史』(角川ソフィア文庫)、『環境再興史』(角川新書)、『地球環境報告』(岩波新書)など多数。

「2022年 『噴火と寒冷化の災害史 「火山の冬」がやってくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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