コミュニティヘルスのある社会へ――「つながり」が生み出す「いのち」の輪

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000229272

作品紹介・あらすじ

コミュニティヘルスとは、一人一人の当事者が、自分なりの健康や幸せを実現しながら、結果としてコミュニティ自体も豊かになっていく営みをいう。そうしたコミュニティヘルスの活動は全国各地で行われている。著者が関わる機会のあった地域での実践を紹介することで、地域コミュニティを構成する多様な主体が、みずから課題解決をしていくために役立つ方法や具体的なヒントを提示した。

感想・レビュー・書評

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  • 入院から在宅療養への医療政策の転換、治療技術の進歩、少子化、過疎化といったなか、高齢化と病気を抱えながら生活する人の数もどんどん増えていく。ともすれば崩壊しかねない社会状況のなか、見事に乗り切っている、あるいは果敢に挑戦しているベストプラクティスが本書では紹介されている。総じて皆、思いがポジティブ。物事は「しかない」とみるか「もある」とみるかで大きく変わるけど、後者視点でいくことがやはり大事。もう少し期待したかったのは、紹介に終っていて「論」になりきっていない点か。もう少し、ベストプラクティスからみえてくることを論じてもらいたかった。そうすることで標準化や可視化ができ、全国津々浦々での実践につながると思うから。
    ふと思ったことでは、わりとこういう地域コミュニティの話って女性が中心にいることが多い気がするんだけど、本書の例はあまりそんな感じがなかったかな。医療機関とかとタッグを組んでいる例が多いようで、そうなるとまだまだ(というべきか)男性が牽引役ということだろうか。

  • 秋山美紀『コミュニティヘルスのある社会 「つながり」が生み出す「いのち」論』岩波書店、読了。病院から家庭へ-ケアの現場が代わりつつある現在、医療そのものを取り巻く状況が変化している。本書は医療関係者に限らず、患者と関わる非専門家の人々がケアの担い手として繋がる仕組みを報告する。

    冒頭でコミュニティヘルスの概念を確認し(=一人一人の当事者が、自分なりの健康や幸せを実現しながら、結果としてコミュニティ自体も豊かになっていく営み)、端緒と実践事例の報告、終章は実践者との座談で、実現する方法を議論する構成。

    高齢化と疾病構造の変化は、急性期の病院治療型から非病院環境の慢性型への対応を必然させている。住民当事者という意味で「保健師もどき」な住民育成の必要も言及されるが、図らずも専門家への丸投げが参加と共同の「場」創出がカギか。

    丸投げとは知らないこと。一人で寝ないで頑張っている医者の現実を「午前中診察したら、家に帰る」との理解で終わらせないこと。「こちら側とそちら側の壁をなくす」こと。これは医療に限定される話ではない。目から鱗をとることが最初の一歩み

  • 2階書架 : WA546/AKI : 3410156820

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著者プロフィール

秋山 美紀
慶應義塾大学環境情報学部准教授。
博士(政策・メディア)。社会福祉士。専門はヘルスコミュニケーション(健康・医療分野のコミュニケーション)。地域住民・患者への医療情報提供のあり方、コミュニティ・ヘルスの分野で研究活動をしており、慶應義塾大学先端生命研究所「からだ館がん情報ステーション」プロジェクトリーダー、鶴岡みらい健康調査 市民コミュニケーション等を担当している。著書に『コミュニティヘルスのある社会へ─「つながり」を生み出す「いのち」の輪』(岩波書店、2013年)、『地域医療におけるコミュニケーションと情報技術─医療現場エンパワーメントの視点から』(慶應義塾大学出版会)など。

「2016年 『価値創造の健康情報プラットフォーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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