- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000229418
感想・レビュー・書評
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作者はこれを「思弁小説」と呼んでいると解説にある。なぜなら、ここに登場する科学技術は、どれもすでにこの世に登場しているからだそうだ。『誓願』の解説にも同様のコメントがあり、この世で既に起きていること以外は書かない、というのがディストピア小説を書くときのルールなのだそうだ。
コロナ禍でステイホームが叫ばれる状況下でこれを読んだのは大正解だった。ヘルスワイザー=ファイザーを心からは信用できないのに頼らざるを得ない世界を、トビーもレンも私も生きている。
<水なし洪水>は、今まさに、目の前で起きている。 -
実はこの本を読んでいたときは内容があんまりピンときていなかったんだが。
最近、世界情勢や環境問題について知る機会が増え、この本の意味するところが分かってきた気がする。
洪水は人間が引き起こしたが、その人間は数多ある生物の一種に過ぎない…
私たちは無意識に生態系のピラミッドの頂点に人間を置いてはいないか?または人間を中心に地球を捉えてはいないか?
地球の意に沿わない資本主義や過剰生産が廃退した時、それらは人間共々一掃され、新たな生命が生まれる。
そこに何を見るだろう? -
上下巻の下にしてはスッキリしない終わり方。自分が時間を開けて読んだので、人物達1人1人の把握ができなかった。洪水という名のバイオテロもいつの間にか起きてた。荒廃は前からだし、未来の未知の動物や食品に想像力がわかなかった。しかし動いている人間は紛れもなく現代人と同じ生活様式、能力を持っていて、後書き読んでわかったが、現代のテクノロジーに依存している生き方を今一度考えて欲しいという意図が、このように静かで凶暴な世界を物語として読者に届けている形のよう。最後に繁殖期の存在する人間が出てくる。
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寓話的というのでもなく色々無理があるけど、下巻は予想外に望みを感じさせる。
トビーもレンも神の庭師の教えには少し懐疑的でもあったのに、絶滅の危機を生きのびる中でその教えがかなり身についているのがわかる。トビーが蜜蜂たちに話しかける場面はコミカルでとても優しい。
この宗教的コミューンには皮肉が込められているのかと思ったけど、作者は意外と肯定的に描いているようだ。
信仰だけでなく、仲間がいるというのもやはり心強いのだろう。でもそれらがこの後どうなっていくのか、ジミーや青い人たちのことも考えると胸騒ぎがする。 -
駄目だー馴染めない
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2019/04/16読了