ルポ 雇用なしで生きる――スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000229449

作品紹介・あらすじ

二〇〇八年の金融危機以降、深刻な不況と高い失業率に苦しむスペインで、政治改革とともに、いわゆる「雇用」なしでも豊かに暮らすための取り組みが盛んになっている。ユニークな「時間銀行」や、進化した「地域通貨」など、日本では知られていない貴重な試みを紹介。既存の経済・社会システムに依存しない生き方が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 現代資本主義は、人々から自ら考え行動する意識を奪い、依存的な人間を作ることに成功した。そして、選挙で投票し議会を通じて政治に参加するだけで満足するよう、仕向けてきた。

  • スペインを舞台に資本主義とは異なる「もう一つの世界は可能だ」と声をあげ、立ち上がった人々の闘いのルポ。ラテン系の人は右も左も熱いですね。
    お金持ちがさらにお金を稼いで国のGDPが増えていくことが資本主義での成功なんでしょうが、その結果は見事な格差社会。成長のために必要なのはお金持ちへの減税と貧乏な人々からもれなく吸い上げる消費税の増税、が現実です。
    スペインに根付くアナキズムの伝統がソ連型の共産主義とはひと味違う「共同体主義」を支えているようです。「もう一つの世界」が本当に根付いていくのか、注目です。

  • スペインでの地方組織のあり方や、心持ちを書いた本。
    一言で言えば、関係人口をは増やすための政治のあり方や仕組みの紹介、です。日本でも個人でも、このような取り組みが広がって欲しい。

  • <メモ>
    時間銀行…皆で協力し合う、何も取り柄がないと思っててもできることがあると知る。

    フードバンク、セカンドハーベストジャパン

    廣田裕之『地域通貨入門ー持続可能な社会を目指して』

  • 資本主義ではない経済システムの可能性に、読みながらワクワクする本だった。
    後半は資本主義批判に終始している感あり。
    それでも、本を読むことで新たな考え方に出会えるという意味で良い本。

  • 資本主義社会への挑戦

    社会主義(中国、旧ソビエト連邦)→資本主義→?

    資本の投下または等価交換により、市場経済が運営されている。
    ただ、資本家や大企業が優遇され、貧しいものはますます貧しくなる貧富の差が激しい。(先進国ー発展途上国 99%vs1%など)
    また、世界のグローバル化によって一国の経済状態が世界に多大な影響を及ぼすようになっている。

    それらに対抗するためにスペイン発の雇用なしで生活をする試みが紹介されている。
    ・地域内通貨
    ・フードバンクなど
    ポイント「信頼と関係性の社会を形成する」

    一般的な本と比べてインタビューの質と量があるので、分量が多くてしんどいが、読みごたえがある。
    日本で考えてみると、縦割り行政や専門分野のみで考えてしまうので実現にはハードルが高い。
    コラムで紹介されている日本の取り組みも今後どの程度広がるか気になる。

  • 生きるために働くのか、働かされるために殺さずに生かされているのやら。
    でも、声をあげなければなんもかわらないね。
    よし声をあげよ!

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著者プロフィール

スペイン語圏を中心に、貧困や格差といった社会問題、歴史や文化を取材している。
著書に、『仲間と誇りと夢と』(JULA出版局)、『ストリートチルドレン』(岩波ジュニア新書)、『マフィア国家』(岩波書店)など。『マラス 暴力に支配される少年たち』(集英社)で第14回開高健ノンフィクション賞受賞。NGO「ストリートチルドレンを考える会」共同代表。

「2018年 『ギャングを抜けて。 僕は誰も殺さない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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