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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784000229555
感想・レビュー・書評
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以前に読んだ国際法の本の議論があまりに古くて、今のスタンダードを確認したくて読む
簡単に定義できない概念も歴史的な経緯から説明されていて分かりやすい
日本の難民認定が少ない理由についての、難民認定する人の「質」を問題とする議論を無批判に受け入れている点はいただけない
本書のコンセプトが、報道における国際法に関する無関心さ、不正確さに対する「もどかしさ」の払拭が挙げられていて、もともと「報道は偏ってる」「間違っている」という意識が著者、編者にあるのかもしれない。しかし、そうであっても学者としては権力行使の正当性の検証は必要なはずで、他の箇所の信用性も減じられる気がするのが残念詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「知識人やマスコミが国際法を知らなさすぎる」という危機感から刊行されたという、20人の国際法学者により32のトピックについて各10ページほどで解説された本。
政治利害でなく国際法との整合性について書かれている。
時事的内容は2016年刊行当時のもの。
目次を別の言葉にすると以下。
1.条約の意義について
2.日米防衛協定などの非拘束で条約ではない、指針・ガイドラインの意義
3.自称国家は国際法上の国家か
4.沖縄は国際法的に独立できるか
5.日本は国家として承認していない北朝鮮をどう扱えるか
6.「固有の領土」という国際法にない言葉に意味はあるか、および領域法
7.領海侵犯という言葉は国際法には無い
8.実行支配とは何か(政府答弁:実効性を持って支配していること)、およびその意義
9.海外からの靖国神社参拝批判は内政干渉ではない
10.域外裁判所における国家の裁判免除権
11.在日米軍は治外法権ではない、および地位協定
12.大使館
13.民間個人が海外国家に処罰される域外適用
14.犯罪者の国外逃亡と身柄引渡
15.難民の国際法での定義と問題
16.ヘイトスピーチの国際基準
17.中国の南沙諸島埋め立てでは領土は増えない
18.大陸棚と領域
19.防空識別圏
20.WTOの意義
21.時代に取り残されるWTOと、EPA/FTA
22.外国資本による日本への投資と、その規制
23.日本の捕鯨活動の全面敗訴とその理由
24.環境保護条約
25.竹島を国際司法裁判に委ねる日本のリスク
26.国際裁判の判決の効力
27.国際法に戦争という言葉は無い
28.国内法上の「武力行使」と「武器の使用」、国際法上の「武力行使」と「最小限の実力行使」
29.国際法上に当然に持つ集団的自衛権と、日本の憲法
30.経済制裁
31.かつて侵略は国際法では合法だった
32.慰安婦個人による日本国への賠償請求は難しい(イタリア人によるドイツへの賠償請求の却下の判例) -
時事問題に関しての国際法的解説。
ニュースで見聞きする事項に関して、国際法的な観点から平易に解説されており、国際法を通して見ると、このニュースにはこんな問題が隠れていたのかと新鮮な驚きを得られて、非常に読んでいて楽しい読み物となっている。
平易とはいえ、しっかりとした国際法学者の面々が執筆しており、内容にも妥協はなく、一般の読者だけでなく、おそらく国際法を学んだ人も満足の出来。
武器使用と武力の行使の違いに関する黒埼将広の解説は、非常に整理されていて勉強になる。 -
ビビットな話題も多くよかった!
わかりやすいし
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