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Amazon.co.jp ・本 (62ページ) / ISBN・EAN: 9784000229814
作品紹介・あらすじ
あるところに個性的な顔をもつ人がいた。その顔はみんなに愛され、画像がネットに溢れた。ところが自撮りを繰り返すうち、顔はやがて輪郭を失ってゆき──。ソーシャルメディア時代にわたしたちは「わたし」とどう向きあえばいいか。前作『迷子の魂』につづき、繊細でメランコリックなイラストとともに描かれる現代のおとぎ話。
みんなの感想まとめ
現代の個性と自己表現について深く考えさせられる作品で、独特なイラストと共に描かれた物語が印象的です。登場人物は、かつて個性的だった顔を持ちながら、次第にその存在感を失っていきます。この過程を通じて、私...
感想・レビュー・書評
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ノーベル賞作家のオルガ・トカルチュクが文章を手掛ける大人の絵本。
小学校高学年くらいから読んでほしい気がする。
真に「個性的」とは、なんなのか。
インターネットに複製され、刻印される、わたしたちの個性を、どう守っていけばいいのか。
「見る」ことよりも、他者に「見せる」ための行為は、結局自分で自分の首を絞めていないか。
さすが、ノーベル賞作家!な、現代人に問題を突きつける一冊。
昔の?ミスタードーナツのアメリカンなイラストを想起させるオアンナ・コンセホの絵もすばらしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どこかで耳にした名前だと思ったら、ポーランドのノーベル賞作家だった。
そうとは知らず、本書の各ページに凝縮されている不穏な絵たちに魅入られるようにして本書を手に取った。
最初これは絵主体の絵本だと思った。
ところが、ときどきページに現れる文章を読むうちに引き込まれた。こちらも穏やかならざる内容だ。
「あるとき、あるところに、とても個性的な人がいた」
という一文で始まる。
彼の顔はかつて個性的だった。
しかししだいに彼は忘れ去られていく。個性的ではなくなっていく。そこで彼は新しい顔を買うことにするのだ。
絵はとても懐かしい感じがするがどこか憂鬱で、でもなんどもページをめくってしまう。
人間のさまざまな顔が描かれているが、しかしそれぞれの絵にはまったくつながりがないようにも見える。夢の中の、なんの脈絡もない絵のようにも見える。 -
ふ、不穏すぎる!
サイコホラー映画?
こえぇーと思って読んだら、何かを思い出した。
あーこれは、つげ義春 作品と同じ感触だ!
ノーベル賞受賞作家とつげ義春さんの何かが同一線上に感じられるなんて…世界は広い
「迷子の魂」と同じく、特殊な造本。悪夢感覚。ベーコンのような顔が意図的に消されていて、ホラー味が強い。アートとしてはとても良いと思う。思い出すだけで不気味さでゾクっとする。 -
絵で語る絵本かと思っていたら所々で意味深いまとまった文章.SNSで拡散され消費される個人への警鐘か?
大人の絵本. -
完全に大人向け。訳者解説が読解の参考になる。落ち着かない気分になる絵本。現代の気分が切り取られている。最後は怖い。
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SNSに自分を見せ続けることで、いつしか'自分'は輪郭を失い、誰でもない者になっていく。個性的でありたい、皆に見られたい、その欲求は自分をぼやかしていく。そんな現代を映した絵本で、怖い。見られることを意識しすぎて、自分を見失う。皆と同じ、普通が欲しい。けれど同時に個性的と見られたい、一味違う人間だと思われたい、アイデンティティを求め続けてしまう、悲しい現代人のリアル。
訳者の解説を読んでさらに考えさせられた。私たちは今、つねに自分の定義を強いられる時代を生きている。「これに賛成、これが好き、これに共感する…」。そういうの、疲れるよね。
消費することにさえも、投票のような社会参画を求められる。。私たちはもっと自然に、誰に強制されるでもなく、自由に生きられないのか。
トカルチュクは信頼のおける作者であると再認識。これからも追い続けたい。 -
SF絵本。きわめて寓話的。
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