さようなら、ゴジラたち 戦後から遠く離れて

  • 岩波書店 (2010年7月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784000230353

みんなの感想まとめ

この作品は、ゴジラを通じて現代社会の問題を考察する評論集であり、深い洞察が詰まっています。ゴジラが何度も日本に現れる理由を探ることで、作品は単なるエンターテインメントを超え、政治や社会の現実に対する鋭...

感想・レビュー・書評

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  • (読んだ人が帯に書いたコメントより)
    ゴジラがなんで何回も日本にやってくるのか、深~くわかりました!

  • 冷静で透明な論に感銘。政治とデモ隊的なモノとの交わらなさの解決の道筋があるような。『理念と現実の落差』をもったままの九条の現状維持というのは、いままで触れたなかで、一番納得できる意見でした。

  • 2024/03/22天声人語

  • 「ゴジラについて」・・・加藤典洋氏の見解

    ゴジラとは何を象徴しているのか?

    ① 核兵器の恐怖を表している・・・基本設定
    ② 自然災害を象徴的に表現している・・・BBCなど
    ③ 旧日本兵の英霊が還ってきている・・・赤坂憲雄氏など

    加藤氏は③に近い立場を取る。ただし、赤坂氏とは論の道筋において差異がみられる。
    赤坂氏が専ら民俗学に依拠して論を進める、例えば、沖縄では疫病などの災厄でさえも海から来た客人として迎え入れ穏やかに出て行ってもらう、という考え方が風習に残っているなどを援用しつつ、海の彼方からの来訪者としての英霊の受容の問題を論じている。
    これに対し加藤氏は、開戦から敗戦、憲法改正に至る期間の国民の深層心理を探っていく。

    すなわち:
    - 日本は敗戦によって「民主主義」という「良いモノ」を得た。これがよいものである、ということについて国民にはコンセンサスが生じた
    - ただ、結果として、それを与えてくれた米国と戦った日本兵をどう位置付けてよいかがあいまい、宙ぶらりんとなった、あるいは「ねじれ」が生じた
    - 戦死した兵士たちをどう位置付けるかを曖昧にしているという後ろめたさが「不気味なるもの」としてのゴジラを生んだ(初回作の公開は1954年)
    - 日本人は冒頭の「ねじれ」を未だに解消してはいない。これは靖国問題や憲法改正などすべてに影を落とし続けている

    その他、枝葉の議論ではあるが、1954年、日本国民は「再軍備」を明らかに(ポジティブな)喜びで迎えていた、という指摘は興味深い。実際ゴジラの予告篇を見ると「迎え撃つ陸海空の精鋭!」という文字が躍る。「終戦直後」というのは我々が今想像するのとは色々な意味で違う空気だったんだろう、ということを象徴する一面として印象に残った。

  • 札幌駅地下の文教堂書店で見つけたのをリブラロイドに登録したのが最初

    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 繰り返される首相の戦争謝罪と閣僚の否定発言は一対のものであり、日本社会の人格分裂を表す。それを克服する論議を日本人は怠ってきた。

    ・国民主権を謳う憲法を連合国に押し付けられた。
    ・武力放棄を謳う憲法を武力を背景とした連合国に押し付けられた。
    ダブルバインド(二重の拘束:子どもが親に「自立しなさい」と強要されるが、身動きがとれなくなる。)→ 人格分裂:治療(憲法の論議)も十分になされていない。※著者は改憲すべきと主張するわけではない。

    国のために無意味に死んでいった戦没者(兵士、民間人含む)の追悼が必要。戦死者への感謝、再評価が必要。
    ※先の戦争をよいものとし、戦没者(兵士限定)を英霊とする靖国的価値観は否定
    ※「永遠の0」での個人的な感想:戦争そのものは憎むが、戦った兵士個々まで否定することはない、と一致。

    2,3章 子どもが負債を負うことが必要か、というレベルで戦争責任の論議を問う。そういる議論を経ずにただただ戦争体験を「語り継ぐ」のでは縮小再生産の構図となる。受け取る側の意思が大切。1章では見直しが必要と主張していたが、「今のままでよい」という考えに変わった経緯。

  • 評論集です。考えさせられました。
    原発事故でゴジラを思い出したのですが、その後読んだ表題作はゴジラについて新たな視点を与えてくれました。
    また自分のせいではないことをどう引き受けるのか、子どもを例にとって考察しています。自分の選択によらず起きている物事を引き受けるか? 私は、引き受けようと思っています。

  • 11/02/25。

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著者プロフィール

文芸評論家・早稲田大学名誉教授

「2021年 『9条の戦後史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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