3.11を心に刻んで

制作 : 岩波書店編集部 
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000230452

感想・レビュー・書評

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  • 【読むきっかけ】
    梨木香歩さんの文章があると知ったため.
    また,原発への賛否両論や変わらず下降の一途を辿る日本の政治・経済の閉塞感に辟易していたこと.
    人類史に残る天災と人災を(ニュースなどで)観ても,相変わらずな生活を送っている自身に対する焦燥感から,変わるきっかけがあればと思い,手に取りました.

    【内容】
    第Ⅰ部
    岩波書店HP上の連載のまとめ
    各筆者による,被災者へのメッセージがほとんど.
    少し,反原発についての主張があります.

    第Ⅱ部
    同筆者らによる書き下ろし.
    被災地の現状.原発の責任論.安全神話論や技術文明に対する奢り.残された私達がどう生きていけばいいか,についてなど.

    【まとめ・感想】
    言葉にするのは簡単ですが,私に足りないのは想像力なんだと,そう感じました.

    例えば,
    ・東日本大震災だけで帰宅難民や,都市の脆弱性が見えた.これが直下型だったら…
    ・安全神話は繰り返されてきた.水俣の経験が生かされていない.身の回りにはまだたくさんの安全神話がある…
    ・脱原発に対して,自然エネルギーなど注目を浴びているが,自然エネルギーの安全性ばかりに目を向けすぎてないか??…

    どんなに小さいリスクでも,リスクとして心の片隅におけるかどうか.あらゆる意見を理解し,考え,リスクを見つけることが,批判することが学者に求められる.

    想像力の一助として,遠人愛は方法の1つとなりうる.
    インスタントコーヒーの原産国,製造国,輸入業者,卸売業,スーパー,私.値段を考えれば,どのくらいの賃金で,向こうの人は働いているのだろう,とか.

    斉藤環さんの優しく,未来の暖かなメッセージには,ツェランという詩人が,言葉を海に投げた「投瓶通信」に例えていることを挙げ,未来の自分を含む「あなた」に現実の豊かさを取り戻すものだから,今は言葉の無力に嘆いても,やがて言葉を取り戻し,豊かさを取り戻そう.とあります.

    リスクに目を向け(でも,向け過ぎると身動きが取れない)
    遠人愛を考え,投瓶通信を続けていく.やがて来る,大きな潮流を信じる.

    まだ意識レベルの理解ですが,当面は一つ一つのホットトピック(原発の賛否や,外交関係など)について本を読むことが大事だと考えています.

    最後に,深く考察をする方法について次のようなことが少し書かれてあり,参考にしたいと思います.

    テーマについて,結論を急がず,自由な発想を許すことが大事である.

  • 30人による3・11に寄せた言葉。

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