新戦争論―グローバル時代の組織的暴力

制作 : 山本 武彦  渡部 正樹 
  • 岩波書店
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000233781

作品紹介・あらすじ

冷戦終結後、軍事革命とグローバリゼーションの下で戦争は劇的に変貌した。旧来の戦争イメージでは、「新しい戦争」を認識できない。本書は、気鋭の平和研究者が、地球規模の諸紛争を分析し、新たな戦争を定式化した注目の書。そして戦争阻止の方途を展望した論点は、今まさに現実世界の中で試されようとしている。九・一一事件を分析した日本語版新稿も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争の当事者や位置づけや目的が近年大きく様変わりしている。いずれにせよ誰かが利益を得るための手段でしかないのだが。

    平和な時代の平和な国に生まれた者として、戦争の良し悪しではなく、戦争の目的とは何か、戦争とは何であるのかをもっと学ぶ必要があるだろう。

    知らなければ良し悪しを判断することも出来ない。義務教育で戦争論を教えた方が良いとすら思うのだ。平和を守るために。

  • 20世紀前半の戦争は総力戦であり、武器を取り合って国民全体のエネルギーが大規模に動員された。

    資本主義の始まりは、そもそも常にグローバルな現象であった。情報通信技術の革命的進歩によってグローバリゼーションはさらに加速した。
    グローバリゼーションはまたガバナンスの脱国境化と地域課をも伴っている。第二次大戦以来、国際機関、国際的なレジームや規制機関は爆発的に増加した。ガバナンスの質的変化と平行して国境を越えた非公式なネットワークが目覚ましく発展した。

    コスモポリタニズムに賛成する人々の空間が狭まるのは、まさに戦争のときである。

    新しい戦争には政治的な目標がある。その狙いはアイデンティティに基づいた政治的動員である。それを達成するための軍事的な戦略は異なるアイデンティティ集団を除去し、憎悪と恐怖を助長することを目的とした住民の強制退去と不安定化である。

  • おそらく冷戦後に出された国際政治関係の本の中で五本の指に入るほどの名著。
    今の世界秩序をもっともよく捉えているのではなかろうか。
    国家を前提とせず、国家権力志向の政治学的枠組みを使わず、筆者なりの枠組みを提示することで冷戦後の世界を捉えている。

    事例として挙げられているのは、ユーゴスラヴィア。
    ”民族浄化”、かつてのホロコーストを彷彿とさせる恐ろしい現実。
    ヨーロッパのお膝元で、しかもまだ十数年しかたっていない。

  •  ゼミで教科書指定された時に高くて購入をやめましたが、その時にちゃんと読んでおけば良かったと後で気がついた名著でした。ちなみに絶版らしく、仙台のジュンク堂書店で見つけた。苦労した・・・(新宿等の大手書店巡りもして)。
     内容としては、冷戦後に見られる地域紛争、民族紛争は「新しい戦争」だとして、それを理論(旧来的な戦争理論との比較)、事例(ユーゴ問題)、概念(「新しい戦争」の概念化)から明らかにし、最後に政策的な改善はどのように可能であるのか、考察する。おもしろいが、無論穴もあるわけですね。それも含めて紛争研究者たちには興味深い一冊でしょう。

  • グローバリゼーションが進んだ世界にあって、その特徴をアイデンティティ・ポリティクスなどに求め、ボスニア紛争を例に新しい時代の戦争を概観する。良い入門書。

  • 「新しい戦争」には政治的な目的がある。そのねらいはアイデンティティに基づいた政治的動員である。そしてそれを達成するための軍事的な戦略は異なるアイデンティティ集団を除去し憎悪と恐怖を助長することを目的とした住民の強制退去と不安定化である。

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