周恩来・キッシンジャー機密会談録

制作 : 毛里 和子  増田 弘 
  • 岩波書店 (2004年2月26日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000233897

周恩来・キッシンジャー機密会談録の感想・レビュー・書評

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  • 歴史の転換点に立ち会えた気分。とにかく周恩来の交渉力がすごい

  • 1971年7月〜10月にかけて20数回に渡って北京で行なわれた、アメリカ合衆国と中華人民共和国との秘密会談を収めた書物である。アメリカ側の記録による。機密文書が時を経て2001年公開された。歴史的事件となった1972年2月のニクソン大統領の訪中にはこういう前段階の下交渉があったのである。
    会談の主なる登場人物は中国側が周恩来首相、アメリカ側がキッシンジャー国家安全保障問題担当大統領特別補佐官。(ニクソン大統領代理)
    当時はまだ米中の国交樹立(1978年1月)以前で、両国間には正式な外交ルートをもっていない状態。キッシンジャーが極秘に訪中し、中国側首脳と北東アジア情勢についてのさまざまな案件への具体的な討議を行なっている。まさに歴史が動く瞬間を垣間見させてくれる文書群である。
    通読して印象に残ったこと―――
    ≪機密会談録≫という外交文書など一度も読んだことはなかったが、複雑な北東アジア情勢の中で、米中両国が互いのサポートを必要とし、それについて議論を通じ歩み寄っていくさまが、非常に人間的な感情のこもったやりとりになっていて、すんなり読み進められて共鳴できたのが面白かった。周恩来、キッシンジャーの人となりのかなりの部分が垣間見られたのではないだろうか。外交は人間がやるものだというごくごく当たり前のことに驚いた。
    そのやりとりにはもちろん意見の相違や対立、緊張感などもあって、はらはらドキドキもするのだが、読んでいてまったく飽きない。飽きないどころか無防備に出た言葉の端端から、1971年当時の米中両国の首脳部がもっていたミニマム・コンセンサスなどが不用意に露呈されたりもしている。特に検証したいのは両国が当時日本に対して抱いていたイメージである。これは30年以上経った今も変わらない部分もあるだろう超≪本音≫の部分である。

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