市場には心がない―成長なくて改革をこそ

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  • 岩波書店
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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000234184

作品紹介・あらすじ

小泉政権は「民で出来ることは民にゆだねて市場メカニズムを活かし、同時に小さな政府に変えてゆく」と言う。しかし、市場化には、人間生活の福祉からの逸脱や市場の失敗と呼ばれるネガティブな効果も否定できない。こうした市場化のマイナス要因にどう対処するのか。また、日本は米の世界戦略に組み込まれたままでいいのか。著者は、対米一辺倒からの脱却と成長を前提としない改革を提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 2006年に逝去した著者(元一橋大学学長)が残した最後の著作。内容は、外交・構造改革・年金制度改革・IT革命の光と影・労働観など多岐に渡る。このうち、本書における著者の外交観は、中国・北朝鮮を善と見すぎであり、俄かには賛成しかねる。ただし、日米平和友好条約の締結を目指すという方向性には興味をそそられる。第2に、著者の小泉改革批判は正鵠を得たものだが、既得権打破に要する政治的エネルギーを甘く見積もりすぎていて、小泉改革すらできない状況に対する目配せが不十分。なお、造語も多く、付論など意味が採りにくい所あり。
    他方、新自由主義の不都合の修正につき、いわゆるデギンズの「第三の道」論を基にすれば、福祉をリスクの共同管理と見直し、社会の活力源としての役割を福祉に求めると本書にはある。が、抽象的すぎて内実が不明で、隔靴掻痒である(ただし、期待できる考えかもしれない。)。

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  • 分類=経済・市場経済批判。06年2月。

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著者プロフィール

ハーバード大学経済学部を卒業。一橋大学学長を経て、朝日新聞社論説顧問。一橋大学名誉教授、経済学博士。
訳書に、サムエルソン『経済学』上・下(岩波書店)など。講談社より『都留重人著作集』(全十三巻)を刊行。

「1974年 『経済学はむずかしくない(第2版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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