証言 沖縄戦の日本兵 六〇年の沈黙を超えて

  • 岩波書店 (2008年12月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (190ページ) / ISBN・EAN: 9784000234580

みんなの感想まとめ

沖縄戦の悲惨な現実を生き残った日本兵の証言を通じて描かれたこの記録は、戦争の残酷さや人間の限界を鋭く浮き彫りにしています。淡々とした文体でありながら、その背後には深い思想が潜んでおり、読者は歴史の重み...

感想・レビュー・書評

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  • 毎年8月には先の大戦に関する書籍を意識して手にするようにしています。

    今年は特に沖縄戦に関する書籍を読もうと決めていました。

    80年目の終戦記念日に読み終えた本書、辛く、苦しい読書となりました。

    元日本兵が語る沖縄戦です。
    それもアメリカ兵との戦いの記録ではありません。
    彼らが語ったのは、地元民に対する日本兵による集団自決の強要、そして、強盗、強姦、虐殺といった行為。


    目を背けてはいけない戦争の惨劇がここに。

    (´ρ`*)コホン
    では、本書の内容を含め感想を。

    『証言 沖縄戦の日本兵 六十年の沈黙を超えて』を読んで――沈黙の奥にある声を聴く

    80年目の終戦記念日に、『証言 沖縄戦の日本兵 六十年の沈黙を超えて』を手にしました。
    本書は、沖縄戦を実際に戦った元日本兵たちの証言を丹念に掘り起こし、戦争の実相を私たちに突きつけるルポルタージュ。
    語られた内容は、あまりにも過酷で、読むこと自体が苦痛を伴うものだった。
    しかし、その痛みこそが、私たちが向き合うべき歴史の重さなのだと感じた。

    本書を通じて、私は「集団自決」という言葉の意味を知り、改めて深く考えさせられた。
    それは単なる自発的な死ではなく、日本兵による強要や恐怖の共有によって、民間人が死を選ばざるを得なかった悲劇。
    米兵に捕まればどんな目に遭うか分からない――そう語った兵士たちの言葉が、住民の心に恐怖を植え付けた。
    そしてその恐怖が、手榴弾による自決や、家族同士の殺し合いという、想像を絶する惨劇を生んだ。

    証言の中には、日本兵による強盗、強姦、虐殺といった行為も記されていた。
    それらは、戦争という極限状況の中で人間性が崩壊していく過程を示している。
    だが、私はその行為をもって兵士たちを単なる「鬼畜」と断じることはできない…
    彼らは私たちと同じ日本人であり、戦争という巨大な暴力装置の中で、加害者にも被害者にもなり得た存在だ。
    中国戦線での日本兵の残虐行為の体験が転戦にて沖縄に持ち込まれた。
    戦争が人間の倫理をいかに破壊するかを示している。

    本書の証言者たちは、六十年もの長い沈黙を経て、ようやく語り始めた。
    その沈黙の背景には、語ることの恐怖、語っても理解されないという諦め、そして語ることで再び心が引き裂かれるという苦しみがあったのでしょう。
    それでも彼らは語った。
    語ることで、自らの過去と向き合い、戦争の真実を後世に伝えようとした。
    その勇気に、私は敬意を抱かずにはいられない。

    証言は、単なる記録ではない。
    それは、語り手の人生そのものであり、記憶の断片である。
    その断片を私たちが受け取り、記録し、語り継ぐことで、戦争の悲劇は風化せず、未来への警鐘となる。
    本書を読んだことで、私は戦争の実相に一歩だけ近づけた気がする。
    そしてその痛みを胸に刻みながら、平和への祈りを新たにした。

    八十年目の終戦記念日にあたり、私は改めて思う。
    戦争は、決して繰り返してはならない。
    そのためには、過去の記憶を風化させず、語り継ぐ努力が必要だ。
    『証言 沖縄戦の日本兵』は、そのための貴重な一冊であり、私たちに「聴くこと」「記憶すること」の責任を問いかけている。



    <あらすじ>
    『証言 沖縄戦の日本兵 六十年の沈黙を超えて』(國森康弘著、岩波書店)は、太平洋戦争末期に沖縄で繰り広げられた地上戦において、日本兵が何を見、何を行ったのかを、戦後60年を経て初めて元兵士たち自身の言葉で語ったルポルタージュです。

    本書は、沖縄戦に参加した元日本兵たちの証言を通じて、これまで沖縄県民の視点から語られてきた戦争の実相に新たな光を当てます。沖縄戦では、15万人以上の住民が犠牲となり、日本軍も壊滅的な打撃を受けました。著者・國森康弘は、沈黙を守り続けてきた生き残りの兵士たちに接触し、彼らが体験した戦場の現実、住民との関係、そして加害の記憶を丹念に聞き取ります。

    証言の中には、壕からの住民の追い出し、スパイと見なした人々の処刑、さらには「集団自決」への関与など、日本兵による加害行為が含まれています。これらは、戦後長らく語られることのなかった事実であり、沖縄戦史の空白を埋める貴重な記録となっています。

    著者は、兵士たちの証言を「遺言」として受け止め、それをどう未来へ継承するかを読者に問いかけます。戦争の記憶が風化しつつある現代において、兵士たちの言葉は、平和の尊さと戦争の悲惨さを改めて考える契機となるでしょう。

    本書は、沖縄戦を「本土防衛の捨て石」とした国家の論理の中で、個々の兵士がどのように行動し、何を感じたのかを浮き彫りにします。フォトジャーナリストとして紛争地を取材してきた著者の視点が、戦争の本質に迫る鋭さを持ち、読者に深い衝撃と思索をもたらします。

    詳細は岩波書店の公式ページでもご覧いただけます。

    • 本ぶらさん
      戦争という、いつ自分が殺されるかわからない(それは今かもしれない)という状況、あるいは、いつ自分が戦死してもおかしくない状況下で助けてくれた...
      戦争という、いつ自分が殺されるかわからない(それは今かもしれない)という状況、あるいは、いつ自分が戦死してもおかしくない状況下で助けてくれた戦友が敵に殺されたら、自分だって、その瞬間の感情でどんな残忍なことだってするでしょうからね。
      でー、幸い生き延びれたら、自分がやってしまった、人として絶対してはいけないことをしてしまったという罪の重みで、絶対精神を病むようになるでしょうから。
      その意味でも、戦争は絶対してはいけないんでしょうね。
      2025/08/25
    • ヒボさん
      普通の人を、人であらざるモノにするのが戦争なんでしょう。
      この世から消えてなくなれ!
      普通の人を、人であらざるモノにするのが戦争なんでしょう。
      この世から消えてなくなれ!
      2025/08/25
  • 恥知らずの団体は潰れるべき。。。

    参政党神谷代表“日本軍が沖縄の人たち殺したわけでない”発言|NHK 沖縄県のニュース 2025年05月13日
    https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20250513/5090031471.html

    自民・西田議員発言/参政党・神谷代表「本質的に間違っていない」で県連が釈明 – QAB NEWS Headline 2025年5月15日
    https://www.qab.co.jp/news/20250515251943.html

    【新刊】「証言 沖縄戦の日本兵」 - ひまわり博士のウンチク 2008年12月23日
    https://blog.goo.ne.jp/gallap6880/e/a3367d5b826e865a040359fadee3f60c

    沖縄戦で家族10人を失った83歳女性「今、語らなければ」 戦後75年、初めて体験語る:東京新聞デジタル 2020年6月24日 有料会員限定記事
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/37556

    國森康弘 Yasuhiro KUNIMORI @ 國森写真事務所 | すでにそこに在る
    https://kunimorifoto.net/

    証言 沖縄戦の日本兵/國森 康弘|人文・社会科学書 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b262583.html

  • 沖縄戦におけるすさまじい事実が淡々と記述されているだけに,凄みをもってせまってくる。

  • 沖縄戦に身を置いた日本兵の証言。あっさりしてさくさく読みやすい感覚は、大切なものをはしょった気がして(例えば陥る背景など)貴重な証言にも関わらず、その裏に著者及び発行元の思想が巧みに潜み、読み手を誘導していないかと少々居心地の悪さを感じる点も。
    戦後の余韻を引き摺る古い証言本をいくつか踏まえた上で、この本は読んだほうがいいと思います。とは言え、沖縄戦の悲惨さは変わらないのですが。

  • 悲惨さを極めた沖縄戦の現実を、生き残った元日本兵の証言を元に構成された記録。人間がそこまで残酷になれるのかと目を疑いたくなるような日本兵による蛮行の数々、軍部によって否応なしに災禍に呑みこまれていった沖縄の住民たちが辿った悲惨な最期。
    そこに語られる現実を見聞きした者は恐らく二度と戦争など起こしたいとは微塵も思わないはず。
    ふと思ったのは、こういった生々しい記憶を語る者が居なくなったときに、国家は戦争を再び始めてしまうのではないだろうか? もしこの記憶をしっかりと伝え続ける手段があったならば?もし戦争体験者たちがツイッタ―やフェイスブックによって悲惨な記憶について語り続けられたなら・・。

  • 意外だった。沖縄戦の日本兵の証言がまとまったものがこれまでなかったということが。
    非常に価値の高い証言集だ。抑制の効いた筆致がリアリティをより深く感じさせる。内容に対して右からの否定的な書き込みなどがありそうだが、あまり見当たらないのは、そのリアリティ故かもしれない。
    必読。

  • 2009年4月23日

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著者プロフィール

写真家、ジャーナリスト

1974年生まれ。京都大経済学研究科修士号、英カーディフ大ジャーナリズム学部修士号。新聞記者を経てイラク戦争を機に独立。紛争地や経済困窮地域を回り、国内では戦争体験者や野宿労働者、東日本大震災被災者たちの取材を重ねてきた。命の有限性と継承性がテーマ。近年では看取り、在宅医療、地域包括ケアの撮影にも力を入れている。

最新刊に『写真と言葉で刻む 生老病死 そして生 〜 限りがあるから みんなでつなぐ』(農文協、2020年)。
写真絵本シリーズ『いのちつぐ「みとりびと」』(農文協、全12巻)の第1巻で2012年度けんぶち絵本の里大賞。他の著書に『ご飯が食べられなくなったらどうしますか? ~ 永源寺の地域まるごとケア』(農文協、共著、2017年生協総研賞受賞)、『アンネのバラ~40年間つないできた平和のバトン』(講談社)、『家族を看取る』(平凡社)、『証言 沖縄戦の日本兵』(岩波書店)、『3・11 メルトダウン』(凱風社、共著)、『TSUNAMI3・11: 東日本大震災記録写真集』(第三書館、共著)、『子ども・平和・未来 21 世紀の紛争』(岩崎書店、共著全5巻)など。
2011 年度上野彦馬賞グランプリ、コニカミノルタ・フォトプレミオ2010、ナショナルジオグラフィック国際写真コンテスト2009 日本版優秀賞など受賞。
NHKの「おはよう日本」「ハートネットTV」「ラジオ深夜便」、TBS「Nスタ」などに出演。放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会委員。

「2021年 『写真でつづる森のお家と仲間たちの成長 笑顔をありがとう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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