戦争と罪責

著者 : 野田正彰
  • 岩波書店 (1998年8月7日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000236065

戦争と罪責の感想・レビュー・書評

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  • 沖縄の戦争のこころの本を読んで、積読本であった本書を思い出し読んでみた。何と20年前の出版であった。この20年の間に更に過去と向き合わない兆候が進んでいる現在、改めて過去と向き合い、その事実を個々人がどのように見つめるかが、これからの私達だけではなく、後に続く人にとっても大事であることを実感する読後感であった。

  • ショッキングな本です。私は今までに過去の戦争に関する本をほとんど読んできませんでした。日本軍も中国でかなりひどいことをやってきたということを漠然と知ってはいましたが、これほどとは考えてもいませんでした。そしてその犯罪行為に関わってきた多くの人が罪の意識を持っていない、逆に反省して悔い改めている人たちが反感をかっている、という現状も知ることができました。被害を受けた人あるいはその家族、犯罪を犯した人々がどんどん少なくなっていきます(亡くなっていく)。だからといって戦争があったという事実は消えないのです。ぜひ全ての人にこの本を読んでいただき、戦争中どのような残酷なことが行われていたのかという知識を身につけておいてほしいと思います。決して忘れてはいけないことだと思います。そして二度と同じ過ちを犯さないようにしたいものです。本書は岩波「世界」(という雑誌)で連載され、後に単行本になったものです。定価は2300円になりますが、ぜひ読んでみて下さい。(2015年現在、文庫になっていないのだろうか。岩波さん しっかりお願いします。すみません、えらそうで。)

  • 図書館で借りてきた本。

    6月の終わりに新宿・ニコンサロンで行なわれた「重重‐中国に残された朝鮮人日本軍「慰安婦」の女性たち」写真展を観に行った感想をブログ及びmixi日記に「わたしはどうしてこの人たちが個々に取り残されたかということを全く知らない」と書いたら、マイミクさんの一人が「このような本がありますよ」と言って教えてくれたうちの一冊だ。

    この本を書いたのは野田正彰という精神科の医者が、元軍医、将校、特務、憲兵だった人たちに対して、中国で自分が行なってきたことはどういうことだったか、戦争が終わって中国に戦犯として収容されていたときにこの人たちがどのような経緯で自分の行なってきたことに対して反省したか、その後日本に帰ってきてどのような生活を送っているのかを丹念に取材し、そしてときには厳しく加害者の精神分析を行ないながら加害者とぶつかっていく、そのような本である。

    1冊17章あるのだが、一人の話がおおよそ1章~3章に渡って書いてある。わたしは本を読むスピードは結構早いのだが、この本に限っては、1人のエピソードを読むたびに頭がいっぱいになって、胸が苦しくなるので、途中何回も休みを挟まなければならなくなったり、日を改めたりしなければならなかった。それくらい「濃い」本だった。

    http://rontako.blog39.fc2.com/blog-entry-1621.html

  •  日中戦争・アジア太平洋戦争に参加、生体解剖を差配した元軍医、軍監獄で中国人捕虜の死を確認する仕事をしていた元軍医、強制連行する中国人労務者の狩り出しを行った元中隊長、満洲で「特高の神様」と称された元憲兵、軍人恩給の受領を一貫して拒否してきた元兵士……。
     敗戦後の日本社会が大量に抱え込んだはずの加害者たちが、自らの加害者性をどのように自覚し、その加害責任をどう引き受けようとしたのか、彼らの著作と面接調査から明らかにしていく。筆者は記憶の想起のしかた・責任の自覚の仕方に対する批判も厭わない。主に中帰連に参加した人々への取材が中心だが、「敗戦後、戦争に直接かかわった日本人はすべて撫順戦犯管理所に入れるしか、表面的にも変る道はなかったのではないか」という内省の意味は重たい。

     以前から、敗戦後の日本社会は、大量の元殺人者・殺人予備者をどのように迎え、抱え込んでいったかが気になっていた。ベトナム戦争でもイラク戦争でも、米軍の元兵士にはPTSD、戦争神経症に苦しんでいた者がいたことを知っていたからだ。本書は、その問いに対する解の一つを与えてくれる。日本兵たちには、そもそも「戦争神経症」というカテゴリーがなかったし、そもそも彼らに与えられた教育が感情を鈍麻させ、きわめて容易に戦闘機械/非人間的な道具存在への移行を可能にするものだった、ということだ。

     文学はことばとかかわる仕事である。一瞬の感傷にひたるだけではない。感情のひだに分け入り、感情のこわばりをゆっくりと解きほぐしていくようなことばとの出会いを、文学は組織できないのだろうか。人間の価値を勝ち負けでしか判断できない、余裕がなくて粗暴で、立ち止まって思考しようとする習慣を持たない、すぐに答えが出ない問いに絶えられない日本社会のこわばりと、日本語の文学とはどうかかわってきた(どうかかわっている)のだろうか。

  •  バブル経済に酔い痴れる人々を精神科医特有の視線で巧みにスケッチしている。「多幸症」とは言い得て妙。確かに浮かれていた。騒々しいほどに。若い女性は何も考えずに、ワンレン、ボディコンというスタイルで踊り狂っていた。ああ懐かしや、ディスコのお立ち台。まさに、精神のメタボリックシンドローム。

     <a href=\"http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20090118/p1\" target=\"_blank\">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20090118/p1</a>

  • 日本人として読んでおくべき本。

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