税制改革の渦中にあって

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000236744

作品紹介・あらすじ

危機的な財政状況、少子高齢社会の到来のもとで、社会的インフラストラクチャーたる税制はどうあるべきなのか。「低福祉・低負担」/「中福止・中負担」/「高福祉・高負担」のいずれを我々は選び、その選択を受けた今後の税制改革を新たな視点でどう進めるべきなのか。-政府税制調査会長を務め、税制改革の渦中にあった著者が、安心、安全そして希望のもてる未来のために、明確に答える。

感想・レビュー・書評

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  •  本書では、まず初めに増税の必要性を主張し
     日本の財政状況や、経済成長による税収の自然増加にはあまり期待できないことでその主張を裏付ける。
    「公平・中立・簡素」という租税原則、「広く浅く負担」という面からも消費増税こそがふさわしいと述べる。しかし、日本では「税を納める」とは言わず、「税を取られる」という表現がよく言われるように、「増税」=「悪」という考えが根強い。マスコミは物事の本質をしっかり見極め、国民も政治家の人気取りの甘言に惑わされないようにするのが重要だ、と筆者は強く訴える。


     わかりやすくて参考になる本でした。
    日本の財政赤字の事を考えると増税が必要なのは火を見るより明らか。
    「国民に負担ばかりを押し付ける」
    というマスコミも多いけど、果たしてそうでしょうか?
    この国にはきれいな道路が整備されているし、蛇口をひねれば水が出てくる。毎日ごみ収集に来てくれる、警察が治安を維持してくれる、自衛隊が国防の役割を果たす・・・・ これだけの利益を得ておいて、「負担ばかり」というのはどうかと思います。(税金の無駄遣いがあれば厳しく指摘するのはもちろん重要ですが)

     この本を読んで、財政の事や税金の事をもっと勉強したいと思いました。

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著者プロフィール

石 弘光(イシ ヒロミツ)
一橋大学名誉教授
1937年東京に生まれ。一橋大学経済学部卒業。同大学院を経てその後、一橋大学経済学部助手、専任講師、助教授、教授、学長(1998-2004年)。退職後、2007-11年の間、放送大学の学長を務める。現在、一橋大学ならびに中国人民大学名誉教授。その間、政府税制調査会会長(2000-06年)、財政制度等審議会委員、経済審議会委員、金融制度調査会委員などを歴任。経済学博士。専門は財政学。財政、税制に関する主な著書として、『財政構造の安定効果』(勁草書房 毎日エコノミスト賞)、『租税政策の効果』(東洋経済新報社 日経・経済図書文化賞)、『財政改革の論理』(日本経済新聞社 サントリー学芸賞)、『現代税制改革史』(東洋経済新報社 租税資料館賞)、『税制改革の渦中にあって』(岩波書店)、『増税時代』(ちくま新書)、その他多数。

「2014年 『国家と財政 ある経済学者の回想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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