戦争と権力―国家、軍事紛争と国際システム

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000236805

作品紹介・あらすじ

「軍事テクノロジーの変化、経済・情報のグローバル化、環境問題などによって、現在、私たちの生きている時代は根源的な変革を遂げつつある」としばしば主張されるが、その認識は果たして正しいか。本書は軍事革命、および近代国家システムの基礎が形成された十六世紀からの歴史を丹念に辿り直し、今世紀の国家権力、軍事紛争、そして国際システムに起こるであろう展開を考察、世界の近未来を予測する。デモクラシーやグローバル化の理論に関して、世界的に最も注目された研究者の一人であり、惜しくも二〇〇三年に急逝したP・ハーストの単著、初の邦訳。

感想・レビュー・書評

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  • 軍事テクノロジーの変化は新たな技術に順応しようとするための一連の社会的条件と圧力から生じる。
    兵器における革命は戦争条件のいかなる付随的変化とも進行して進んだわけではなかった。戦争のいくつかの基本的な制約によって限定されていた。
    核兵器は戦争の合理性を突き崩し、戦争の性質を根底から変えてしまった。それまで戦争は目的にいたるための1つの手段であった。核兵器は全面核戦争に至る急激なエスカレーションを相争う国同士の国家も社会も破壊してしまうような一般的な駆け引きにしてしまった。
    戦争は将来も継続する。今世紀において普遍的で恒久的な平和が実現する見込みはない。自由主義諸国は彼らの望みを押し付けるべく軍事力を行使し戦う。
    新たな国際システムの構成原理は相互承認。正当なメンバーかどうかはその国家が明確な領土をもつ排他的な支配者であるというほかの国々からの承認に依存していた。
    リベラリズムは国家の機能を再定義した。国家機能は二重に限定された統治である。
    冷戦の終結によって、ほとんどの国家は自らの生き方を模索しなければならなくなった。
    国際システムには3つの基盤がある。1つは個々の国民経済の間に高いレベルの貿易と投資を伴う主要な三極地域を中心とした世界経済。2つ目は権力と正当性において多様であるが国民国家を構成する人民であり、その中でももっとも力を持つのが国境を横断する主要な行為者である。3つ目hば主要な国民国家に支えられた超国家的ガバナンスを担う機能的に特化された行為主体のシステムである。
    現在のシステムを支える本質的な2つの基盤とは開かれた国際経済と国民国家である。

  •  戦争と権力を取巻く国際政治は、冷戦後大きな変化を遂げた訳ではなく、それ以前も徐々に変化を遂げており、何も冷戦後の変化が極めて特異なものだったとか、それ以前と比較して大きな変化だったわけではない(むしろ、変化の幅は小さいとすら言える)という議論を展開する著作。

     ハーストは、依然として国家間の戦争が重要な問題で、冷戦後の紛争はそれほど大きな問題ではなく、またそれは新しい戦争と呼べるものではない。国民国家システムは終わりを迎えている訳ではないなどなどと述べる。リアリスト的な見方かと思うがいくつかのズレも感じる。

     それと欧米の研究で多いけど、最後の今後の予測は、なんでどの本でもちゃんちゃらおかしい低俗なものになっちゃうのだろうか。

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