総理の原稿――新しい政治の言葉を模索した266日

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000237253

感想・レビュー・書評

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  • 政治家の言葉の重要性は指摘するまでもない 総理大臣であれば言うまでもない
    所信が「各省の方針」のパッチワークではリーダーシップはない

    政権交替でトップのリーダーシップは出し易くなったというが、所詮は「友愛」といった抽象的では、現実に変わることはない 変らないなら官僚は無視するのみ

    cf 日々のぶら下がり会見=反射神経 小泉総理は得意だった

    ■ガンジー 七つの大罪
    1.原則なき政治
    2.道徳なき商業
    3.労働なき富
    4.人格なき教育
    5.人間性なき科学
    6.良心なき快楽
    7.犠牲なき宗教

  •  2011年5月10日(火)に阪大生協書籍部豊中店にて科研費で10%オフで購入。同日読み始め、17日(火)に読み終える。

     平田オリザと松井孝治との対談「政治のコミュニケーションデザイン」を収めたもの。読み物としてはなかなかおもしろかった。鳩山政権が何を目指し何をしたかったのかもよくわかる。残念なことに、表紙には「平田オリザ+松井孝治」と著者名が表記してあったので平田オリザのコメントを期待して買ったのに、対談の中身はほとんど松井孝治の発言だった。松井さんの意見は正直どうでもいい。

     本書の対談は「これから何かを実現するぞ」というマニフェストとは対照的であり、「こんなことをしたかったのにできなくて残念」といういわば回顧録である。ただ、何かと言えば「残念」ということばが口をつき、その悔しさは伝わってくるけれど、同時に読めば読むほど負け惜しみのようにも見えてくる。それは「勝てば官軍、負ければ賊軍」という(認知バイアスをわたしがもっているからな)のではない。「戦後初めて政権交代を実現し、いろいろやりたいことがあったのにできなかったので残念だ」と言うけれど、まだ政権を覆されたわけではないではないか。だから政権交代を起点とするならば、まだ何も終わっていないのである(遠からず終わるかもしれないけど)。にもかかわらず「残念だ」というのは、負けて(政権を覆されて)もいないのに心が折れてしまっている状態であり、それが私の目には負け惜しみのように映るのある。

     とはいえ、残念という気持ちは分からないではない。

  • なぜか内容が空虚に感じられる。
    具体性に欠け・要点が分かりにくいからか。

  • 「鳩山由起夫」という政権交代のシンボルを作り上げた裏方2人の回顧録。中選挙区時代における派閥政治、政官財のトライアングルといった弊害を取り除くための「政治主導」(≠政治家主導)を追究した姿勢が興味深い。とりわけ、「自分の言葉で国民に語りかける」というスタンス、そしてそのためのミーティングやtwitterの活用など、新しい政治の実験という意味でその功績は大きいように思われる。結局、鳩山内閣で「政権交代」はほとんど終わったようなものだが、この理念は忘れてはいけないように思う。

  • "原稿"とあるとおり、日本語を演説でどうするか、というような話(口語論?)は冒頭に確かにあるけれど、それよりもむしろ、そのあと色々と語れる、「伝えるということ」全般についてのヒント(あるいはそのために官邸に必要な機能なりチームなり…)が色々ちりばめられているのが面白かった。

    メルマガとブログとTwitterの違い、みたいなことも、たとえが上手くて面白い。

  • 政権交代により新首相に就任した鳩山氏の演説は爽やかで、新しい時代の息吹を感じさせるものでした。その背後にあって官房副長官・参与として演説原稿の作成、ブログ、ツィッターに携わった2人の振返りです。今となってはパロディともいうべき短期に終わった鳩山政権でしたが、首相の「友愛」感覚を演出するために2人が絞った知恵はなるほどと言わせるものがあります。演説の中にさりげなく加える心温まるエピソードが重要ですね。

  • 鳩山由紀夫元首相のメディア担当者の対談がメイン。当時ツィッターが話題になりました。

  • 鳩山首相の所信表明演説や施政方針演説がどうやって作られるかの裏側が見れて面白かった。政治における「言葉」の重要性と難しさを認識したが、しょせん言葉は言葉だとも思った。どんなに練られた良い演説でも、その中身が実行されなければ何の意味もない。むしろ言葉が躍りすぎて期待を持たせすぎ、実際とのギャップを膨らませてしまった感もある。なお、対談という性格のせいか、話の内容にやや重複があったのが少し残念だった。

  • なぜのこの本を出版する企画が通ったかが疑問。成功しなかった例からは学ぶことは少ない。なぜ失敗したのか書いたのであればまだ良いが、自分たちは成功したと思っているところがたちが悪い。一般庶民には分からんのだろう、とかメディアが協力しなかった、というかもしれないけど、それをどうにかして伝えるのが今の時代のコミュニケーションデザインなのだと思う。失脚の原因となった、最低でも県外などにも触れられておらず全く不満と不安が残る。自画自賛という、内輪で盛り上がってる感が否めない。
    鳩カフェはいい試み。ただ、メディアに黙殺されたという事ではコミュニケーションデザインとしては失敗なのではないのかな。
    文句ばかり言ってるけど、同じことは僕はできません。

  • 当時は、何か目新しいことをやってるな、くらいにしか思わなかった。
    ただ、どれほど言葉に注力しても、残った実績があれでは...

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著者プロフィール

1962年、東京都生まれ。劇作家・演出家。芸術文化観光専門職大学学長。国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。戯曲と演出を担当。戯曲の代表作に『東京ノート』(岸田國士戯曲賞受賞)、『その河をこえて、五月』(朝日舞台芸術賞グランプリ受賞)、『日本文学盛衰史』(鶴屋南北戯曲賞受賞)。『22世紀を見る君たちへ』(講談社現代新書)など著書多数。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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