それでもボクは会議で闘う――ドキュメント刑事司法改革

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 89
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000237291

作品紹介・あらすじ

"場違いなところに来てしまった…"映画『それでもボクはやってない』で日本の刑事裁判の不条理を描いた監督が、思わぬ縁で法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」の委員に選ばれた。えん罪をなくすための改革を求めて闘った、葛藤の日々を自らつづる。異色のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 政府が主宰する会議はある程度の予定調和があり、それに加担するだけで人の話を聞かない、物事の本質を見ない人たちがいる。既得権益を得た人たちにはおいしい世界。

    このような本が出版されなければならない現実が悲しいではある。

    払ってもいい金額:1,700円

  • 2015.9.26市立図書館
    映画「それでもボクはやっていない」をきっかけに刑事裁判の不条理に片足を突っ込んだ映画監督が、一般人有識者のひとりとして法制審議会の委員に参加することになった。そこでの悪戦苦闘や葛藤をつづるノンフィクション。内容はハードでカフカ的不条理世界、取材・映画を通した問題意識バッチリの周防監督が果敢にいどんでもなかなか通じない手強い世界。警察、検察、裁判官、弁護士、学者…それぞれに自分の仕事をまちがいなく誠実にやりぬこうという思いは同じなのだとは思うけれど、立場の違いを超えてひとつのルールを共有すること、真に理想とするものをともに構築することってこうもたいへんなのか、とめまいがしてくる。逮捕や取り調べなんて自分には関係のない遠い世界の話、と思って忘れていたいけど…

  • 冤罪事件が発生する原因を、密室での取り調べによる自供を法廷証拠として提出することと、証拠はすべて検察側(被疑者の有罪を立証する側)が握っており、たとえそれが被疑者に有利な(残された体液の血液型など)ものであっても、提示されない場合があるというのは一般市民にとっては衝撃的な事実でした。疑われたら最後というか、まずは有罪ありきの裁判で冤罪事件がなくなるわけがないわなあ。本の内容自体は法律用語満載で非常に難しく感じましたが、興味のある方は是非ご一読ください。

  • 基本的人権である「疑わしきは罰せず」の原則が実現されていない実態は、昨今たびたび伝えられる冤罪事件でも明らかだろう。

    問題は権力の実行側(検察、警察に加え、場合によっては裁判所も)が確信犯であり、理想と現実は違うと開き直っていることだ。

    全取調べの録画・録音、安易な逮捕前勾留の制限、証拠の全面開示といった、人権保護の観点からは議論するまでもなく当然と思われる事項が、不可解な法理議論や捜査実態に忖度して骨抜きにされていく過程は、とても近代的民主国家とは思えない。

    国のあり方を考える上で、高校社会科の副読本ともすべき啓蒙の書である。

  • ほんに役人のひねくり回した物言いは分かりづらい。
    木で鼻を括ったような感じ。

  • 官僚さんたちや学者さんたちは頭がよいのか、悪いのかよく分からないです。頭が良いなというのは自分の省庁の権益を守るための駆け引き上手なところ。頭が悪いなというのはこの検討会議の目的を(わざとなら頭を使ってる?)参加者で共有せずに進めていき、妥協の妥協で落ち着かせてるところ。
    日本の悪さがにじみ出ている会議のような気がします。

  • かつて猪瀬直樹氏が著した『道路の権力』を想起した。一般有識者委員の立場で官と対峙したストレスは大きいようだ。この社会で「えん罪」ほど防がねばならぬ不幸はない。そのためにも「取調べ全過程の録音・録画」を求める著者らと、それを阻止せんとする警察・検察サイドの攻防が明かされる。一般有識者サイドのエースは村木厚子氏。あの郵便事件ほど検事憎しと思ったことはない。もはや取調べを公開しない理由なんぞあるものか、とも思うのだが・・・。冷静になり、自らを取調べをする者の立場に置いてみるならば、そうもいかない。

  • ダメと思っても闘ってみたら変わることもあるかもしれない。

  • 日本人が自由を奪われるのにあまりにも問題意識がないことを痛感させられました。民主制国家では冤罪の責任は主権者である国民にも及ぶということがもっと理解されるべきです。

    法制審議会で犯罪被害者支援にかかわる委員が取り調べの可視化に消極的なスタンスをとっていたことが残念です。デュー・プロセスが守られてこそ犯罪被害者・遺族は救済されると思います。

  • Yotsuya

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