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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784000237345
感想・レビュー・書評
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『#創価学会・公明党の研究』
ほぼ日書評 Day652
真面目な本。
もう少し、黒歴史(スターリンは元銀行強盗というレベルまでは求めないにせよ)暴露みたいな内容があるのかと思いきや、淡々と出来事を綴り、主要ステークホルダーの心理を推測するスタイル。
ちょっと面白かったのは、国政では「公明党」が一時期不在になっていたなどというエピソードをすっかり忘れていたことに気付かされたことくらいか(小沢一郎率いる「新進党」に合流していたのだと。そのあたりから、あまりにも目まぐるしく政党の離合集散があったため、もはや同時代を生きたものとしても記憶を整理しきれない。後世の歴史家にとっては、ひどく扱いづらい時代となることだろう)。
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創価学会を「選挙」という一点に絞って、公明党を「創価学会による支援」という一点に絞って描いたノンフィクションである。
著者が岩波の『世界』に寄せてきたレポートがベースになっているが、基本的には書き下ろしだ。
取材も丹念でよく調べてあり、なかなかの労作だと思った。
著者の名は『世界』と本書以外では見覚えがないが、大新聞の政治記者の変名なのかもしれない。
本書の半年前に刊行された同傾向の本、『公明党――創価学会と50年の軌跡』(薬師寺克行)は、中立を装った偏向が目立つ本だった。それに対して、本書はニュートラルな立ち位置で、「ためにする批判」や悪意は感じられない。
ただ、読みながらずっと違和感を覚えつづける本ではあった。
「事実でないことが書かれているわけではない(と思う)けど、うーん……、こういうことじゃないんだよなァ」という感じの違和感である。
たとえば、次のような一節――。
《単純化して言えば、個々の学会員にとって、選挙でどれだけ票を出せるかが、いわばその人の信心が試される「勤務評定」となっており、それゆえ選挙になるとみな必死にならざるを得ない。》
「勤務評定」って(笑)。
この一節に象徴されるように、著者は創価学会の公明党支援も、公明党のあらゆる政治活動も、損得勘定・メリット/デメリットの範疇でしか捉えていない。
「見返りがあるから頑張る」だけではなく、宗教者ゆえの無償の情熱というものがある。むしろ、それこそが創価学会・公明党の選挙に関する「内在論理」の核なのだが、著者にはそのことが見えていないと思う。
同様の偏見は、島田裕巳の創価学会本にもよく見られる。
たとえば島田は、『民族化する創価学会』の中で次のように書いた。
《東京大学に合格したにもかかわらず、創価大学への進学を選ぶ者もいるほどで、そこには、組織でのし上がるためには、東京大学よりも、組織の内部で高い価値が与えられている創価大学へ進学したほうが、はるかに有利だという判断がある。》
これは要するに、“「東大卒になる」という大きなメリットをあえて捨てるからには、もっと大きなメリットがあるに違いない。それは、「組織でのし上がる」ためには創価大卒のほうが「はるかに有利」だということなのだろう”……という邪推である。
損得ずくでしか物事を考えられないという点で、島田も本書の著者も、同じ色眼鏡で学会・公明党を見ているのだ。
巻末の「主要参考文献」に私の著書も挙げられていて、いささか複雑な気分になった。 -
「選挙はまさに宗教活動そのものなんですよ」
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ジャーナリストから見た公明党・創価学会論。
前回の安倍政権の作品よりはよくできていると思う。
まず、創価学会と公明党が一体化していると指摘したうえで、会員層の高齢化に伴いその集票力が落ちてきているとの前提に立つ。
そして本書の最も優れている考察と思われるのが、創価学会・公明党が現在の小選挙区から撤退し、もっぱら比例代表へと移行としている点、そしてポスト池田が本格化した場合、民進党との連携など「自公連立政権」が所与のものでなくなる可能性がある点を指摘しているところである。
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