旅に溺れる

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著者 : 佐々木幹郎
  • 岩波書店 (2010年5月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000237888

作品紹介

死が降りてくるとき-風の国、砂の国、川の国への旅。赤紙を破り捨て、村人が死守した祭りの現場で、チベットの鳥葬場で…。詩人が聴き届けた、生者と死者の対話の現在。

旅に溺れるの感想・レビュー・書評

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  • 本来は詩人である著者の旅をめぐる随想など、これまで各種メディアに発表されてきた種々のエッセイを集めたものだが、これまでの著者の幅広い活動を物語るかのように、多種多様なエッセンスが詰め込まれている。 第1章で取り上げられているのは、著者が民俗学的な探究心を発揮する紀行文めいたエッセイが中心。サントリークォータリーに寄稿された何編かは、珍しい日本の祭りを追った記録で、私自身も知らなかった興味深いものが多々照会されており、実にユニーク。500年来続く山形県・鶴岡の「黒川能」は、わずか100人の観光客しか観覧出来ない内輪だけの希少な祭事で、戦時中の徴兵さえ免れたという希少なもの。一方、町の人がみな狐に扮して2日間を過ごす、新潟県・阿賀町の「狐の嫁入り行列」もホントかなと思うようなお祭りだ。これらのシーンを捉えたプロ顔まけの著者の写真も素晴らしい。 第2章は、著者のメインフィールドであるアジアをめぐる思索の旅の断片。第3章は、身近な家族への思いを込めたエッセイが中心。第3章の中で、自らの文章術について語った「うどんの作り方から学ぶ文章の『引き算』」は、なるほどと思える内容で興味深かった。

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