窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人

制作 : 森岡 孝二 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 37
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000238175

作品紹介・あらすじ

90年代に空前の好景気にわいていたアメリカ経済の足下で、いったい何が進行していたのか。膨大な時間を仕事に費やし、家族と過ごせる時間はごくわずか、精神的やすらぎからは程遠く、仕事と生活の不安は高まるばかり、職場で生き残るだけで精一杯の日々-。その姿は明日の私たち自身の姿なのか。グローバリゼーションと株価至上主義の向かう先の働き方は、こんなにきついものなのか?対抗する手段はないのか。全米で大きな話題を呼んだ「ホワイトカラー搾取工場」からの生々しい衝撃のレポート。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカのホワイトカラーの、90年代の過酷な労働環境を書いたレポート。
    これと同じことが、日本でも大企業を中心に、起こってきているような気がする。まさにホワイトカラーが株主・経営者の利益のために搾取されている。

    ITの登場、競争環境の激化、株主第一主義の台頭。それに応えて、利益の出ない会社は、利益を短期的に出すために大幅な雇用調整を行ってきた。残された従業員は、負担こそ増えるが、手当は増えない、コスト増は悪と見なされる。

    しかし、従業員は会社にしがみつく。どこの会社も正社員は取りたがらない、どこも買ってくれない。今より良くなる保障は何も無いので、今の仕事にしがみつく、忠誠心は何もないのに。

    またワーカホリックな仕事ぶりは、実は嫌いではないという従業員。長年そうすることが当たり前で評価されるという風土の中にいた弊害。気づいたときには既に遅すぎる、自分の体がすでにストレスに蝕まれてる。

    日本でも10年遅れて、この風潮はやってきた。しかし、日本的経営のよさはまだ完全に失われていない。家族的な経営、雇用の保障、福利厚生―無駄だといわれてきたコストに、人材をつなぎとめて忠誠心を増し結果生産性を上げるための、心理的な効果がある。搾取されてきた従業員はそろそろ反旗を翻す時期だ。

  • 分類=労働。03年5月。

  •  日本ではこのところ、景気回復で過去最高の利益をあげる大企業が相次いでいるが、アメリカの企業は既に97年に過去最高の利潤率を記録した。しかし、企業所得は増加する一方で労働分配率は減少。好景気に沸くビジネス界では、レイオフなどをはじめとする人減らしが横行し、福利厚生の切り下げも続いた。
     企業は発展し、働く者は職場で窒息していく。今、日本の企業でもアメリカと同様の現象が起きているのではないだろうか。米国流の「グローバル・スタンダード」は日本の職場にも確実に浸透しつつある。それは
    働く側の心身を蝕む方向でも。

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