窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人

  • 岩波書店 (2003年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784000238175

みんなの感想まとめ

過酷な労働環境を描いた本書は、アメリカのホワイトカラーが株主や経営者に搾取されている現状を鋭く指摘しています。90年代から続くこの流れは、日本でも大企業を中心に同様の現象が見られ、従業員は雇用の不安定...

感想・レビュー・書評

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  • アメリカのホワイトカラーの、90年代の過酷な労働環境を書いたレポート。
    これと同じことが、日本でも大企業を中心に、起こってきているような気がする。まさにホワイトカラーが株主・経営者の利益のために搾取されている。

    ITの登場、競争環境の激化、株主第一主義の台頭。それに応えて、利益の出ない会社は、利益を短期的に出すために大幅な雇用調整を行ってきた。残された従業員は、負担こそ増えるが、手当は増えない、コスト増は悪と見なされる。

    しかし、従業員は会社にしがみつく。どこの会社も正社員は取りたがらない、どこも買ってくれない。今より良くなる保障は何も無いので、今の仕事にしがみつく、忠誠心は何もないのに。

    またワーカホリックな仕事ぶりは、実は嫌いではないという従業員。長年そうすることが当たり前で評価されるという風土の中にいた弊害。気づいたときには既に遅すぎる、自分の体がすでにストレスに蝕まれてる。

    日本でも10年遅れて、この風潮はやってきた。しかし、日本的経営のよさはまだ完全に失われていない。家族的な経営、雇用の保障、福利厚生―無駄だといわれてきたコストに、人材をつなぎとめて忠誠心を増し結果生産性を上げるための、心理的な効果がある。搾取されてきた従業員はそろそろ反旗を翻す時期だ。

  • 分類=労働。03年5月。

  •  日本ではこのところ、景気回復で過去最高の利益をあげる大企業が相次いでいるが、アメリカの企業は既に97年に過去最高の利潤率を記録した。しかし、企業所得は増加する一方で労働分配率は減少。好景気に沸くビジネス界では、レイオフなどをはじめとする人減らしが横行し、福利厚生の切り下げも続いた。
     企業は発展し、働く者は職場で窒息していく。今、日本の企業でもアメリカと同様の現象が起きているのではないだろうか。米国流の「グローバル・スタンダード」は日本の職場にも確実に浸透しつつある。それは
    働く側の心身を蝕む方向でも。

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著者プロフィール

1944年3月24日 大分県大野郡大野町(現在・豊後大野市)に生れる
1962年4月 香川大学経済学部に入学
1966年3月 香川大学経済学部を卒業
1966年4月 京都大学大学院経済学研究科に入学
1969年9月 京都大学大学院経済学研究科博士課程を退学
1969年10月  大阪外国語大学助手、のち講師
1974年4月 関西大学経済学部講師
1983年4月 関西大学経済学部教授
1996年 2月 ~2014年 8月 株主オンブズマン代表
1998年 4月 ~2001年 3月 経済理論学会代表幹事
2004年10月 ~2006年 9月 関西大学経済学部長
2006年 9月~2013年 7月 働き方ネット大阪会長
2013年 7月~2018年 8月  NPO法人働き方ASU-NET代表理事
2014年3月 関西大学を退職
2015年 5月~2018年 6月 過労死防止学会代表幹事
2018年8月1日 死去

「2019年 『雇用身分社会の出現と労働時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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